オスマン朝演劇ポスター展



番号:029
年月日:財務暦6月29日
劇場:カドゥキョイのクシュディリ採草地にある劇場
劇団:オスマン演芸団
演目:レイラーとカイス
構成:悲劇6幕
解説:「ライラとカイス」とはイスラーム世界に広く親しまれている悲恋物語の「ラ イラとマジュヌーン」。「家」の反対にあって恋人のライラと結婚できなかったカイ スは狂人(マジュヌーン)と呼ばれるほどに心うちひしがれ、最終的には2人とも死 を選ぶことになるという、いわば中東版の『ロミオとジュリエット』。「悲劇」をア ラビア文字のオスマン語で「trajedi」と表記している。この時代の演劇に関する専 門用語は、ほとんどがフランス語で、その音を外来語としてアラビア文字で表記して いる。メティン・アンドによると、オスマン演芸団はこの作品を1899年に上演してい る。本公演も曜日の一致から1899年7月11日(火)と想定することができる。ペルー ズ嬢によるコントをはじめ、5人からなるオーケストラによるオペラの一部について の演奏など寄席演芸形式。座席料は、男性については、1等さじき席50、2等さじき 席40、1等席10、2等席5クルシュに加えて、1等席の半額切符5クルシュも設定され ている。女性については、1等さじき席50、2等さじき席40クルシュまでは確認され るがその下部が破損している。この座席料は、劇団は異なるが、No.27に示され た料金にほぼ一致している。

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