番号:030 年月日:財務暦(1336年)6月10日(1920年6月10日) 劇場:シェフザーデバシュの傷病兵劇場 劇団:オスマン帝国演劇学校 演目:王の雌虎(ティグレ・レアーレ) 構成:有名な映像作家の正劇(悲劇)4幕 解説:「プログラム」ということばがオスマン語で明記されている。この作品は、シ チリア出身イタリア人劇作家のジョヴァンニ・ヴェルガ(Giovannni Verga:1840-1922 )の原作『ティグレ・レアーレTigre reale(1873)』をR.エルジメンドが翻訳したも の。原作は小説で、題を直訳すれば「王の雌虎」となる。物語は、「王の雌虎」と表 現されたマドマゼル・アフロディーテが演じるロシアの外交官夫人が多くの男と関係 を持つが、真実の愛を見つけられず、破滅するという筋らしい。「ティグレ・レアー レ」はイタリア語では冷たい心の人を指すようである。したがって、直訳の「王の雌 虎」という題では内容を伝えることはできず、「冷たい心をもつ女」と訳をつけた方 がより適切であろう。今日では、ヴェルガの作品としては短編小説『カヴァレリア・ ルスチカーナ』が最も有名である。オスマン帝国音楽学校のオーケストラによって「 トルコ風およびヨーロッパ風」の曲が演奏された。商業農業大臣主催であることから も、舞台装置や衣装も一新され、おそらく当時の舞台技術の最高水準が結集された作 品であろう。オスマン語による開演時間は西暦による表記になっており、15時開演の 昼の部は女性に、22時開演の夜の部は男性に限られている。 上の画像を拡大する。 下の画像を拡大する。 |
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