番号:010 年月日:ヒジュラ暦ラマダーン月1日(1911年8月25日) 劇場:ベイオウルのテペバシュ公営劇場 劇団:オスマン国民劇団 演目:ジェラール・アッディン・フワーリズム・シャー 構成:6幕 解説:作品はオスマン帝国において最も重要な啓蒙思想家のひとりであるナムク・ケ マル(1840-88)の戯曲。題名の人物は、モンゴルの侵入に対して奮戦した、ホラズム ・シャー朝(1077-1231)の最後の王である。この作品はナムク・ケマルによる6作の 戯曲のうちの最後の作品(1881)で、彼自身がもっとも力を入れて著わした、オスマン 演劇史上アブデュルハミド期の最高傑作ともいわれている。主演はもちろんナンバー 1男優ブルハネッディンである。このプログラムは当時の寄席演芸の位置付けをもっ とも詳しく伝えている。すなわち、「芝居のあとの寄席演芸(ヴァリエテ)のプログ ラム」と明記され、続けて次の番組が紹介されている。 1;マドマゼル、ロジーナによるフランス語のシャンソン 2;セニョーラ、ロジータによるスペイン舞踊 3;フロレンティーナ夫妻によるイタリア語のデュエット 4;マドマゼル、マルト・セレスによる「四季」という題の出し物 これらの番組内容からも、当時のイスタンブルにおける演劇興行は、多様なヨーロッ パ文化が披露される場であり、同時に多言語を操る舞台人が交流し、時には技を競い あう場でもあったと考えられるのである。 上の画像を拡大する。 下の画像を拡大する。 |
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