2.3. 田圃
1971年 1998年
#11 #12
雨期の田圃の外観は、1970年代も1990年代もそれほどは変わらない。この写真のように田植えをして稲を栽培する。技術面での差としては、耕起に耕耘機が用いられる場合が最近では少々出てきた。また、耕地面積の面では、農地だったところが他の(たとえば工業用地などの)用途に転用されるケースも少なくない。用途転用の例に含まれるが、以下に見るレンガ焼きは、特定の季節に限られるという点を特徴としている。
レンガ焼きの煙突(遠景)
 すでに人口を扱うところで見てきたように、この辺りでも人口は近年かなりの増加を見せている。それに伴い、新しい家などの建築も盛んで、その材料のレンガの必要性も高い。レンガは普通の田んぼの土を焼いて作るが、それは露天で行われる。この写真は、煙突の見える窯を中心としたレンガ焼きの作業場で、現在雨期のため稼働はしていない。レンガ焼きが行われるのは乾期のみで、その時にはレンガ焼き作業場周辺の、写真で緑に見える棚田がレンガ用の土を採取したり焼成前の成形したレンガを干しておく場所となる。以前はそのような土地では、裏作(ジャガイモ等)の栽培が行われていた。
1971年 1996年
#13 #14
レンガを焼いている最中の窯。周りには焼き上がったレンガが積み上がっている。
1996年
#15
レンガ焼き作業者の仮住居と焼成前のレンガ。レンガ焼きの作業者は皆村外から働きに来る季節労働者で、レンガ焼きの窯の持ち主(これも村外の人の場合がある)に雇われる。遠くから来てこのように小さな小屋を作って仕事のある期間住みつく人々も見られる。このような場所も雨期には稲の栽培される田圃になる。

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