2. 村の有様・生活の概況

 2.1. 建物
1970年 1996年
#01 #02
ネワールの典型的な家の建て方は木材の柱および横材等とレンガ造りの壁を持ち、切妻屋根を載せた3〜4階建で、最上階(屋根裏部屋的な空間)が台所になっている。この写真の右側の建物がそれで、屋根裏部分に明かり取りの窓がふたつ張り出している。壁は彩色しないのが普通である。
ここは、村の中央広場でこの時期には祭り用の柱が2本立てられている。右手前の建造物はナラヤン(ナーラーヤナ)神すなわちヴィシュヌ神を祀る祠である。
#01の4階建の建物がここでは6階建の平屋根の建物になっている。また、右側中央の家などは壁に塗装が施されている。ネワールの村は以前から町中の一区画を切り出して田圃の中にそのまま置いたようなたたずまいであったが、この時期になると「村」と呼び続けるよりもすでに「町」といった方がよいかもしれない。事実、この年(1996年)には農業人口は全就業人口の約6分の1のみとなっている。1970年には40%近い割合であった。
1970年 1996年
#03 #04
上(#01)の右側の建物を正面から撮ったもので、1階部分は店になっている。なお、手前広場は、ネワールの集落の例に漏れずレンガで舗装されており、写真では、乾燥させるために籾米およびトウガラシがゴザの上に広げられている。
1970年 1996年
#05 #06
左奥の角から右の、屋根に緑の草が生えている部分が1998年の写真の白塗りの家である。手前は村の一番大きな広場で、Sa parhu(Gai jatra, 牛祭り−死者の魂を冥界に送る祭祀)の行列が行われている。
切妻屋根が平屋根に変えられ、4階の台所の天井が平らになり屋根の上にはパラボラアンテナが載せられている。前面の壁も2世帯分は白く塗られている。
一世帯は1階から4階までを占める形で、白塗りの部分では(2階の窓の数にして)窓3つの単位が一世帯である。

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