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目黒 紀夫

研究機関研究員,博士(農学)

東京外国語大学
アジア・アフリカ言語文化研究所
〒183-8534 東京都府中市朝日町 3-11-1

Email: megurot[at]aa.tufs.ac.jp

個人ウェブサイト:

研究テーマ:アフリカの野生動物保全,牧畜社会の変容


マサイと一緒にシマウマを眺めたりアフリカゾウと追いかけっこをしたり

「アフリカといえば野生動物!」というイメージは,多くの日本人が持っているのではないでしょうか? そして,「アフリカといえば貧しい。アフリカを助けるためには援助が必要」という考えも一般的なものに思えます。そうした時,野生動物を護りながら観光業をつうじて地域発展をめざす「コミュニティ主体の保全」が,国際的な支援のもとで行われていると聞いたら,どう思われるでしょうか? 「それは素晴らしそうだ。でも,実際のところ,アフリカの人たちは野生動物とどんな風に暮らしているのだろう?」 それが私の研究の出発点にある問題意識です。私はケニア南部のマサイ社会を対象に調査をしています。集落を訪ね歩いていると,道中で危険な野生動物と遭遇することもあります。政府だけでなく環境NGOや観光会社も取り上げませんが,野生動物に人が殺される事件も起きており,住民にとって「野生動物との共存」は決して望ましいものではありません。地域の歴史や最近の社会の変化なども視野に入れながら,野生動物保全という取り組みの問題を検討しています。

最近取り組んでいること:

もともと環境政策や国際援助に関心があった私ですが,調査をするなかでは,彼ら彼女らの伝統文化や現在の暮らしが,観光客だけでなく環境NGOや政府によっても誤解されていることに気がつくようになりました。野生動物と共存してきたといっても狩猟をしてきたこと,伝統文化を大切にするけれども新しい生計活動を積極的に取り入れていること。今,マサイの人たちが何を考え,どのように暮らしを組み立てているのかを,詳しく調べていきたいと思っています。


研究プロジェクト:


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