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古谷 伸子

研究機関研究員,博士(文学)

東京外国語大学
アジア・アフリカ言語文化研究所
〒183-8534 東京都府中市朝日町 3-11-1

Email: koya[at]aa.tufs.ac.jp

個人ウェブサイト:

研究テーマ:文化人類学,タイ研究


タイの民間医療,民間治療師について研究しています。

北タイの主要都市チェンマイでは,90年代初頭のエイズの深刻な社会問題化を一つの契機として,人々が民間医療の有効性や民間治療師の潜在力に注目し,知識人,医療従事者やNGOを中心に様々なプロジェクトが展開されてきました。そして,その過程において治療師たちはグループ化,ネットワーク化し,そうしたグループでの活動をとおして自らの知識を洗練させ,新たな活躍の機会を得てきました。今日,一部の治療師たちは地域を超え,社会階層を超えて多様なクライアントを獲得し,薬やマッサージなどのサービスを売ることで収益を増大させています。しかし,そのような状況にあっても治療行為が完全に商品化することはなく,そこには依然として慣習的な無償の治療,「人助けのための治療」が見出されます。治療師が商業化する,あるいは商業化に抗する要因とは何なのでしょうか。私はこれについて,治療師の感情や想像,また治療師と外部機関や法制度との関係に注目して研究を進めてきました。

最近取り組んでいること:

これまでの北タイにおける調査に加え,昨年からは東北タイでも民間医療,民間治療師に関する調査を始めています。各地の事例を比較検討することによって,地域における社会・経済・地理的条件の違いが,民間医療の存続,発展あるいは衰退に及ぼす影響を明らかにしたいと考えています。


研究プロジェクト:


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