研究機関研究員
東京外国語大学
アジア・アフリカ言語文化研究所
〒183-8534 東京都府中市朝日町 3-11-1
Email: ishiguro[at]aa.tufs.ac.jp
個人ウェブサイト: http://fumiyoishiguro.com/
研究テーマ:美術教育,アジアの文化・芸術
作品制作では,墨や天然土絵の具を用いて和紙に植物を描いています。制作のキーワードは,日本人の根源的な自然観です。縄文時代の日本人は,”霊気を内在させる「もの」”と“ものを生成する「ムスヒ(ムス(産む)+ヒ(日,霊))」”という自然観を有していたそうです。現代社会においても,自然を「もの」として一方的に消費するのではなく,自然を生成する「ムスヒ」の概念を認識して自然を捉える必要があると考えます。その為,植物由来の墨や天然土という素材を用いて,植物を作品として描き出す(産む)という表現方法をとるようになりました。ただ,『日本書紀』に記載されているように,描画材料に用いる墨や和紙は,朝鮮経由で大陸から日本に伝わったものです。日本の文化は,地理的要因により大陸から伝来して醸成されたという特質があり,自国の自然観に終始する事は出来ません。その為,自国の文化を理解する為にアジアの文化を学んでいます。
「美術の面白さを伝えたい」という動機で,2年前から大学や高等学校で美術の授業を行っています。そして,教科書に仮面が掲載されていた事をきっかけとして,仮面の芸術性や教育的意味についても調べるようになりました。日本の能面と表情豊かな他国の仮面の比較や人格としての仮面の獲得について考察しています。今後は,アジアの文化・芸術の理解を深めると共に,相手の理解を促す伝達方法を身に付けたいと考えています。
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研究プロジェクト:
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