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神田 惟

助教

東京外国語大学
アジア・アフリカ言語文化研究所
〒183-8534 東京都府中市朝日町3-11-1

Email: kanda[at]aa.tufs.ac.jp

個人ウェブサイト: https://tufs.academia.edu/YuiKanda

研究テーマ:イスラーム美術史、ペルシア語文化圏文化史


美術工芸品を通じて, その背景にある社会, 文化, 人々の心性を解明する

 これまで私は, 美術史学に軸足を置きつつ, 考古学, 金石学, 歴史学, 文学を組み合わせた研究手法を採用してきました。そして, 人間の文化的営為によって産み出されたマテリアルそれ自体の有するデータを収集・分析しながら, その背景にある社会, 文化, そして人々の心性を解明することを目指してきました。特に心掛けてきたのは, これまで歴史を記述するための礎として用いられてこなかったタイプの美術工芸品やその制作・使用環境に光を当てる, ということです。国内外の博物館の方々の協力を得て, 収蔵庫の中を調査する中で, そういったタイプの美術工芸品が少なからず存在することを知ったことがそのきっかけです。今後も, マテリアルの丁寧な観察を出発点とする積み上げ型の美術史研究に地道に取り組み, 国際的に研究成果を発信していきたいと考えています。

最近取り組んでいること:

現在は,主に以下の3つの研究プロジェクトを進めています。
1)シャー・アッバース1世(在位1588–1629年)による,イラン・イラクの聖者廟に対する書物・美術工芸品の寄進とその後代へのインパクトに関する研究
2)ペルシア語韻文版『カリーラとディムナ』のオスマン朝領内における受容史に関する研究
3)イラン・イラクにおけるシーア派聖者廟とその建築史の研究
合わせて,イスラーム陶史についての日本語の単著の執筆に取り組んでいます。また,国内の博物館の所蔵するイスラーム美術工芸品(陶器,タイル,写本)の調査・再評価の活動等も継続して行っています。



研究プロジェクト:

  • AA研共同利用・共同研究課題「中近世西アジアにおける史的テクストの参照・改変・転用とその主体・受容者についての国際的・学際的研究 (jrp000301)」
  • 基幹研究「『記憶』のフィールド・アーカイビング:イスラームがつなぐ共生社会の動態の解明」
  • グローバル地中海地域プロジェクト アジア・アフリカ言語文化研究所拠点
  • ペルシア語文化圏における動物寓意譚受容史:『カリーラとディムナ』挿絵入写本の研究
  • 大原美術館フーケ・コレクション調査に基づくイスラーム期のエジプト陶器通史の構築


  • 関連サイト:


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