期間:2025–2027年度
人間にとり負債とは何か。本研究では、この問いの答えを世界の民族誌的事例から探 求する。D・グレーバーの『負債論』から着想を得て進めてきた本研究の第3期では、 「商業経済」と「人間経済」の絡まり合いという現状を踏まえたうえで、アジアやアフ リカ、オセアニアの多様な民族誌事例を通して、人々の「負う/負わせる」という具体 的な関係から富の蓄積が生じる社会的脈略を明らかにし、国家や資本主義による人々の 統治が発生・解体・再編されていくメカニズムについて検討する。
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