AA研共同利用・共同研究課題
契丹語・契丹文字研究の新展開 (jrp000174)
プロジェクトについて
期間:2010-2012年度
10世紀,現中国北部~モンゴリア地域に成立した契丹(遼)では,漢語とともにモンゴル語系の「契丹語」が主要言語として通用し,「大字」と「小字」という異なるタイプの文字体系を用いて記されていた。これらは石刻史料の形態で現存するが,資料数は僅少であり,内容的にも墓誌に限られる等の偏重もあり,結果的に未だ契丹語および文字の解明には到っていない。
また従来の研究においては,契丹文字資料の研究は歴史学的見地からの研究が主流を占め,言語学的見地からの研究は充分に尽くされているとは言い難い。本プロジェクトは,契丹文字資料について,最新の言語学的研究をもとに研究・分析を行い,新たな契丹語・文字研究を目指す。
3年という時限を設定し,段階的に研究成果を示す。具体的には契丹文字碑文の検討を通じて,1)資料データの収集,2)個々の契丹文字の画像抽出,などを行い,研究者・一般が活用できる形で公開する。その上で,3)主として言語学的な視座からの研究を行い,その成果を論集等にまとめて報告・公開することを目標とする。
研究代表者 松川節(大谷大学)
プロジェクト・メンバー
研究代表者
AA研所員
共同研究員
- 更科慎一
- 承志
- 白石典之
- 武内康則
- 古松崇志
- 毛利英介
- 山越康裕
研究成果
研究会
- 日時:2013年2月2日(土)13:30-18:00
- 場所:AA研マルチメディア会議室(304)
- 荒川慎太郎(AA研所員)
- 「故西田龍雄先生と契丹文字研究」
- 松川節(AA研共同研究員,大谷大学)
- 「プロジェクトの成果刊行物について」
- 荒川慎太郎(AA研所員),澤本光弘(早稲田大学),高井康典行(早稲田大学),渡辺健哉(東北大学)
- 「『契丹[遼]と10~12世紀の東部ユーラシア』について」
- 全員
- 共同研究プロジェクトを振り返る
- 日時:2012年11月10日(土)13:00-18:00
- 場所:AA研マルチメディア会議室(304)
- 大竹昌巳(京都大学)
- 「契丹小字の体系的解読の試み」
- 武内康則(AA研共同研究員,京都大学)
- 「「第二届中国少数民族古籍文献国際学術研討会」及び「第二届契丹文字及相関領域学術研討会」参加報告」
- 吉池孝一(愛知県立大学)
- 契丹学国際会議(赤峰,2012年8月)に参加して
- 日時:2012年5月12日(土)13:30-18:00
- 場所:AA研マルチメディア会議室(304)
- 荒川慎太郎(AA研所員)
- 「ロシア所蔵契丹大字冊子について(ザイツェフ氏の研究より)」
- 吉池孝一(愛知県立大学)
- 「「契丹文字接尾語表」(『慶陵』1953)作製に関わる諸資料の紹介」
- 全員
- 近年の契丹研究に関する情報交換
- 国際ワークショップ「西夏・契丹文文献の図録化と課題」
- 日時:2012年3月23日(金)9:30-18:00
- 場所:AA研マルチメディア会議室(304)
- 使用言語:英語,中国語
- ≪契丹文字文献≫
- 松川節(AA研共同研究員,大谷大学)
- 「プロジェクト説明,基調報告」
- 武内康則(AA研共同研究員,京都大学)
- 「近年の契丹文字資料の公開状況」
- 呉英喆(AA研外国人研究員,内モンゴル大学)
- 「内蒙古所蔵契丹文石刻の整理状況」
- ≪西夏文字文献≫
- 武宇林(北方民族大学)
- 「『日本蔵西夏文文献』の編纂について」
- キリル・ソローニン(佛光大學)
- 「西夏禅文献について」
- 杜建録(寧夏大学)
- 「『中国蔵西夏文献』の編纂について」
- キリル・ボグダノフ(ロシア科学アカデミー東洋文献研究所)
- 「ロシア所蔵西夏文文献の再整理について」
- 荒川慎太郎(AA研所員)
- 「西夏文献図録と西夏語研究」
- 全員
- 総合討論
- 遼金西夏史研究会第12回大会
- 日時:2012年3月24日(土)13:30-18:00
- 場所:学習院大学中央教育研究棟402教室
- 使用言語:日本語
- 共催:学習院大学東洋文化研究所「農牧接壌地域」における民族と社会プロジェクト,遼金西夏史研究会
- 中田美絵(甲南大学)
- 「8世紀後半におけるユーラシア情勢と長安仏教界」
- 飯山知保(早稲田大学),佐藤貴保(新潟大学),高井康典行(早稲田大学)
- ミニシンポジウム「遼・金・西夏研究の現状と展望」
- 日時:2012年3月25日(日)9:00-15:00
- 場所:学習院大学中央教育研究棟402教室
- 使用言語:日本語
- 共催:学習院大学東洋文化研究所「農牧接壌地域」における民族と社会プロジェクト,遼金西夏史研究会
- 毛利英介(AA研共同研究員,京都大学)
- 「宋は兄で遼は弟か─遼宋擬制親族関係について─」
- 吉野正史(早稲田大学)
- 「「耶律・蕭」と「移剌・石抹」の間─『金史』本紀における契丹・奚人の姓氏記述に関する考察─」
- 大西啓司(龍谷大学)
- 「西夏に於けるシャーマンの活動─『天盛旧改新定禁令』を中心に─」
- 荒川慎太郎(AA研所員)
- 「ロシア東洋文献研究所所蔵西夏語文献Tang.46, inv. No.156再考」
- 日時:2011年10月1日(土)10:30-18:30
- 場所:AA研大会議室(303)
- 使用言語:日本語
- 共催:平成23年度科学研究費補助金(基盤研究(B))「新出土契丹文字資料・モンゴル文字資料に基づくモンゴル史の再構成」,研究代表者 大阪国際大学ビジネス学部教授 松田孝一
- 孫伯君(中国社会科学院)
- 「ロシア科学アカデミー東洋文献研究所所蔵契丹大字冊子本について」
- 呉英喆(内蒙古大学)
- 「新発見の契丹文字資料について」
- 松川節(AA研共同研究員,大谷大学)
- 「モンゴル国ドルノゴビ県の契丹大字碑文の発現経緯」
- 武内康則(AA研共同研究員,大谷大学)
- 「モンゴル国ドルノゴビ県契丹大字碑文の解読」
- 孫伯君(中国社会科学院)
- 「契丹文字の符号化について」
- 鈴木俊哉(広島大学)
- 「孫報告へのコメント」
- 全員
- 総合討論
- 日時:2011年7月9日(土) 13:30-18:00
- 場所:AA研マルチメディア会議室(304)
- 鈴木俊哉(広島大学)
- 「西夏・女真・契丹文字の国際標準コード化動向について」
- 白石典之(AA研共同研究員,新潟大学)
- 「内モンゴル新巴爾虎左旗出土の契丹大字資料について」
- 全員
- 近年の契丹研究に関する情報交換
- 日時:2011年1月22日(土) 13:30-18:00
- 場所:AA研マルチメディアセミナー室(306)
- 武内康則(AA研共同研究員,京都大学)
- 「統計的手法による契丹文字の音価探索の試み」
- 荒川慎太郎(AA研所員)
- 「『首届中国少数民族古籍文献国際学術研討会』参加報告」
- 全員
- 近年の契丹研究に関する情報交換
- 日時:2010年7月4日(日)10:00-15:00
- 場所:京都大学
- 武内康則(AA研共同研究員,京都大学)
- 「契丹文字・契丹語の基礎事項」
- 荒川慎太郎(AA研所員)
- 「近年の契丹小字研究について」
- 全員
- 近年の契丹研究に関する情報交換
- 日時:2010年4月24日(土)13:30-18:00
- 場所:AA研マルチメディアセミナー室(306号室)
- 松川節(AA研共同研究員,大谷大学)
- 「このプロジェクトが目指すもの」
- 武内康則(AA研共同研究員,京都大学大学院生)
- 「インディアナ大学滞在報告」
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