こちらにはひと月に一度,AA研スタッフや共同研究員がフィールド調査の際に撮った写真を載せています。
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バンゾック寺は,2014年中国との国境を眼下に望む山腹に建立された,新しい仏寺である。本堂には,諸仏やホー・チ・ミンと並んでヴォー・グエン・ザップ将軍(1911-2013)が祀られている。将軍像の上には“Hộ Quốc An Dân”(「護国安民」)と記した額が掛かっており,像の視線の先には中国がある。フランスや米国を相手にした戦争時のベトナム側の最高司令官であり,しかも長寿を全うした同将軍は「強さ」の象徴なのであろう。ただ,撮影者自身は,1979年の中越国境戦争時の最高指導者であるレ・ズアン(1907-1986)も想起されて然るべきではないかとつい考えてしまう。
2017年9月10日
バンゾック寺,カオバン(ベトナム)
栗原浩英 撮影
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