こちらにはひと月に一度,AA研スタッフや共同研究員がフィールド調査の際に撮った写真を載せています。
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ウランバートル市内のレストランのメニューの表紙。モンゴル文字の美しい書体で書かれているが、何かおかしい。モンゴル文字は左から右に向かって改行する縦書きの表記法なのだが、左のqoGulun-u「料理の」が読めても右行が読めない。しばらく悩んだ後、これは「メニュー」を意味する語tseseが上下逆さまに書かれているのだと気づいた。モンゴル国はキリル文字によるモンゴル語表記が正書法として定着しており、モンゴル文字をきちんと書ける人は少ない。それゆえこうしたミスが生じたのかと思ったが、実際はそうではなかった。対面に座った人にもこれがメニューだとわかるようにという配慮だったのだ。
2018年
モンゴル、ウランバートル市
山越康裕 撮影
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