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鶏肉をゆでたスープで米を炊き,ゆでた鶏肉をのせて供する料理は,「海南鶏飯」と呼びならわされているが,マレーシアやシンガポールの名物である。同種のチキンライスはタイにも見られ,「カオ・マン・カイ」と呼ばれる。ミャンマーでは,「チェッスィー・タミン」と呼ばれる海南鶏飯のバリエーションを食べることができる。ここでは,スープを取るために鶏肉をゆでた後で焼く。
カチン州の州都ミッチーナーでは,中華系のみならずインド系のレストランのいくつかもチキンライスを出すが,この「インド風」チキンライスは普通のチェッスィー・タミンと2つの点で異なっている。第一に,米を鶏のスープで炊くのではなく,炊きあがったご飯に鶏の脂を混ぜ込む。第二に,鶏肉の焼き色は普通のチェッスィー・タミンのような茶色ではなく黄金色である。タンドールのようなオーブンで焼いているのかもしれない。
インド料理店がこの種のチキンライスを出すのは甚だ稀なことらしく,少なくともミャンマーでは他に見たことがない。ミッチーナーならではの,中華とインドのフュージョンと言えよう。
ちなみに,この食堂の店主の奥さんによると,チキンライスをハート形にして出すのは外国人限定のサービスとのこと。
2015年1月12日
ミャンマー連邦カチン州ミッチーナー,シャミー食堂
澤田英夫 撮影
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