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今月の一枚 2012年5月

こちらにはひと月に一度,AA研スタッフや共同研究員がフィールド調査の際に撮った写真を載せています。

(写真の著作権は撮影者にあります。無断・無許可でのご使用は固くお断りします。)

穏やかな村で交わすささやかなあいさつ

古くからユダヤ教,キリスト教の歴史をその地に刻むエチオピア。人口の半数はエチオピア正教徒が占めるが,同じ一神教であるイスラームもまた初期に伝播し,その影響力は現在も強い。多様な民族や文化を持つ人びとの住むこの国は,地理的にもさまざまな変化を見せる。標高2千メートルを越える高地でナイル川の源流のひとつにも位置する北部や,サバンナ地域の南西部,砂漠を臨む南東部というように,広大な大地は極めて豊かな風土と環境を擁する。

首都アディスアベバから北部の各所を巡った1500キロの旅路では,そんなエチオピアでの人びとのさまざまな生活の様子を垣間見ることができた。エチオピアを代表する岩窟教会遺跡群のあるラリベラからアディスアベバへ戻る道中,旅先案内人のドライバーがシュアロビットという小さな村で,私たちを彼の母の自宅へ招待してくれた。青く塗られたきれいな土壁に色彩豊かなエチオピア正教会のイコンが飾られた小さな家で,私たちはエチオピアの主食であるインジェラのもてなしを受けた。村の人びとは外国人の私たちに好奇の視線を向けながらも穏やかで,覚えたてのアムハラ語であいさつをすると静かに微笑み返してくれた。

2011年11月
エチオピアのシュアロビット村にて
塩塚祐太 撮影

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