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教育セミナー >> 2007年度感想・報告 >> 見市 建
2007(平成19)年度
見市 建(岩手県立大学総合政策学部・講師)
「インドネシアにおけるイスラーム主義武装闘争派の組織とイデオロギー:イスラーム・地域研究とテロ研究のはざまで」

本発表では、東南アジアのジャマーア・イスラミヤ(JI)を中心に、いわゆる急進派や過激派のイスラーム政治勢力の活動およびそうした対象を研究する場合の問題点について論じた。JIは2000年以降東南アジアの政府機関、キリスト教徒、西洋人や権益に対する攻撃をしており、まずJIの思想・行動・組織について概観し、その地域的な起源と思想の急進化・グローバル化について論じた。次に「国家と『過激派』のアヤシイ関係」と題して、インドネシアにおける国家−社会関係からJIの発展過程を説明するとともに、近代国家の前提である国家による暴力手段の独占(の欠如)という視点や他地域における国家−社会関係との比較研究の可能性を示した。最後に急進派研究における方法論上の問題として、諜報機関からの情報の取り扱いや、近年の「テロとの戦い」というアジェンダに寄り添う「テロ研究業界」の問題性を指摘し、イスラーム・地域研究の立場からはこうした研究を忌避するのではなく代替的ないし相互補完的な作業をすべきであると主張した。
 

 

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