Top page of the Project MEIS at TUFS
 
教育セミナー >> 2005年度感想・報告 >> 山根朋子
2005(平成17)年度
山根朋子(同志社大学大学院神学研究科)
 私は以下の3つの点に於いて、26日から29日にかけて行われた中東・イスラーム教育セミナーが自分の研究方法の習得に役に立つものであったと評価しています。

  第1に、今回の教育セミナーで発表する機会を得たことで、自分の個々の言葉に責任を持つことの大切さを強く感じました。自分の発表に対する先生や学生の方々の質問の中には、自分の言葉の使用の未熟さに気づかされる多くの指摘がありました。また直接先生方の講義を受け、先生方の研究の緻密さと、研究に費やされた時間を知り、先生方の研究に対する熱意を強く感じました。

  第2に、学問分野の枠組みを越えたセミナーであったために、それぞれの研究方法の違いについて比較することができました。一つの発表や講義に対して、様々な視点から質問が提出されたことは、学問分野の隔たりなく参加者が構成されていた利点によるものだと思われます。セミナー全体から、狭い専門分野の視点と、それを全体の学問体系の中に位置づける視点の両方を持ち合わせることが研究者に必要であると感じました。

  第3に、ほぼ毎日設けられた懇親会の場で、教育セミナーで得た学びをより深めることができました。文献を用いて研究する者にとって必要な基本的知識を先生方から教示していただきました。

  熱心に質問する学生の方々と熱心に話を聞いてくださる先生方との中に混ざることができ、良い刺激を体に受けることができました。 

  以上を纏めると、私はこのセミナーを、特化した学問分野での具体的な成果を得ることよりも、具体的研究内容に入る前の研究態度そのものを得る良い機会として評価します。学生の数に対する指導教員の人数が多かったこと、全体の人数として小規模であったことが、セミナー自体をアットホームな雰囲気にしました。そして直接的に先生方の研究に対する熱い思いを感じ、自分の研究に対する姿勢を改めて見直す良い機会となりました。

  最後に一つ問題点を指摘すると、文献学である思想史専門の先生による講義がなかったことです。このセミナーが幅広い学問分野の人々の集まりであったがゆえに、この点は残念でした。

  このような良い機会を与えてくださったことに、本当に感謝しています。

 

 

back_to_Toppage
Copyright (C) 2005-2009 Tokyo University of Foreign Studies. All Rights Reserved.