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教育セミナー >> 2005年度感想・報告 >> 大塚和夫
2005(平成17)年度
大塚和夫
 「中東・ イスラームというフィード――さまざまなアプローチの布置状況」

 中東・イスラームを調査・研究するには、さまざまな専門分野(ディシプリン)があり、それに応じていくつものアプローチの仕方がある。本講義の目的は、その布置状況を紹介することである。ただし、講師が専攻している社会・文化人類学が軸になった。

 まず、文献とフィールドワークのいずれに主眼を置くかという違いがある。前者を重視するのは、古典的宗教書を精読するイスラーム学、文字史料を渉猟する歴史学などがある。その場合、文献の著者、つまり読み書き能力を持つ知的エリートの世界に近づきがちになる。一方、フィールドから資料を得る人類学者は、一般ムスリムの日常的行動を観察し、彼/彼女らとの会話を通してその考えや価値観を知ろうとする。この他に、定量/定性分析、一般法則追及/個別事例記述といった志向性の違い、文献とフィールドの双方を扱う地域研究の課題は「地域」を越えた議論との関わりであること、などを取り上げた。

 

 

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