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教育セミナー >> 2005年度感想・報告 >> 貝原加奈
2005(平成17)年度
貝原加奈(神戸大学大学院国際協力研究科)
 4日間のセミナーを終え振り返ってみると、このセミナーは、私が予想していたものとは少し違っていたように思う。それは、自分が専門としている国際関係論において、『中東』、もしくは『イスラーム』という言葉を使用する際、その言葉が含意するものが、例えば、歴史学や神学の『中東』、『イスラーム』が含意するものとは異なっていたからではないだろうか。他の受講生の発表を聞く際に、そういった専門分野間での、“感覚”のずれが、発表の内容を理解する上で、ひとつのネックになっていた。

 ただ、その分野間の違いを、異なるものとして放置しておくのではなく、先生方も含めた受講生全員がそれぞれのアプローチ方法に興味を持ち、積極的に議論に参加している姿を見ることができ、自分の視野を広げるためにも非常に有意義であったと感じる。また、セミナー中だけではなく、休憩時間やセミナー後の時間を利用して、さまざまな研究分野の受講生の方々と交流をもてたことは、貴重だった。今、私の周りで中東・イスラーム地域を研究対象にしている学生は非常に少なく、意見交換するチャンスも少ない。加えて、 私自身、中東・イスラームに関係のある地域を研究対象としようと決めたのが、ほんの最近で、右も左も分からない状態だった。このセミナーで、研究分野は異なっても、「中東・イスラーム」にまつわる研究をしている多くの学生に出会えたことは大きな収穫だった。この出会いを大切にしていこうと思う。

 さらに、他の受講生の発表や議論を聞く中で、自分の専門での知識がまだまだ足りないことを改めて痛感できた。このセミナーで学んだ、アプローチや考え方、議論の進め方、理解の深め方を参考にして、自分の論文に生かしていければと考えている。

 何回か他の形式のセミナーに参加したことがあるが、そこではセミナーの中で、提起された問題が一旦完結する、もしくはしなければならないような雰囲気があった。このセミナーではそういったものはなく、それぞれがここで学んだことを持ち帰って、どう自分の研究に反映するか、により焦点が置かれていたように感じた。

 また、4日間という短い期間ながら、セミナーの進行もスムーズで、大変気持ちよく受講できました。先生方、事務の方々ありがとうございました!!
 

 

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