Top page of the Project MEIS at TUFS
 
研究セミナー >> 2007年度感想・報告 >> 金城美幸
2007(平成19)年度 前期
金城美幸(立命館大学大学院先端総合学術研究科一貫制博士課程)

 今回の参加は、2006年度前期の研究セミナーに引き続き2度目だった。受講者は私を含めて5名で、募集定員の半数だった。応募締切り後に再募集があったのを目にしたが、それにも関わらず受講生が5名だったことは、今後のセミナーの存続にいささか不安を感じないでもない。

 しかし内容は前年度に引き続き充実していた。受講生の少ないことで、開催が予定の4日間から3日間になり、スケジュールもリラックスしたものになった。この合間を利用し、AA研資料室も利用できた(資料室の利用もスタッフの配慮のおかげである)。また今回は、鈴木均さんを始め経験豊かな研究者の方々と同じ受講生として肩を並べられ、セミナーの奥行きの深さを窺うことができた。

 受講生の報告についても、1時間の議論の間に、報告スタイルに対するものから、その内容に即したもの、あるいは今後の研究の方向性を問うものまで、幅広いコメントが出された。興味深かったのは、大塚・飯塚両氏が「人類学」と「地域研究」の目的とアプローチの違いを議論されたことだった。必ずしも報告内容に即したコメントでなかったにも関わらず、研究の枠組みに言及することで、受講生により大きな視点からの研究の相対化を促そうとするスタッフの教育的配慮を感じた。

 課題として指摘したいのは広報についてである。前年度応募する際、敷居の高さを感じたことを覚えている。その感覚の原因を考えると、一つには広報・手続きが全てよくオーガナイズされてしまっている点が思いつく。もちろんこれは3年目を迎えるセミナーの経験の蓄積と、スタッフの力量の高さによるものである。しかし非常に美しいポスター(新井氏の写真技術の素晴らしさに感嘆している)、そこに連なる10名以上スタッフのお名前を目にすると、経験の少ない大学院生は敷居の高さを感じざるを得ない。例えば去年、私がイスラエルという「中東」ではあるが「イスラーム」に属さない研究でも受講可能かどうか図りかねていたとき、思い切りが足りなければ受講を断念していた。「中東」「イスラーム」に重なりつつも直接的ではない研究をしている院生も、躊躇なく応募できるよう、セミナーの門戸の広さを示す工夫が必要である。具体的には、案内ポスターに、写真、研究内容、受講生に向けて一言などが入ったスタッフ紹介や、各スタッフがフィールド調査で撮影した写真を複数使って、スタッフの研究の地域・文化的広がりを視覚的に示すことなどが考えられる。

 セミナーのリピーターとして、今後も研究・教育セミナーの更なる展開を願っている。スタッフの皆さま、大屋さんと村上さん、どうもありがとうございました。
 

 

back_to_Toppage
Copyright (C) 2005-2009 Tokyo University of Foreign Studies. All Rights Reserved.