●展示パネルについて





  今回の展覧会の目的のひとつは、展覧会と同時開催されたアサバスカンのことばと文化についての国際会議をグラフィックの面からバックアップするということです。その試みのひとつとして、国際会議の個々の講演や発表のためにそれぞれポスターを制作し、それをパネルとして会場に展示しました。上のパネルは第二次大戦中に米軍が使った、「ナヴァホ」をベースにした暗号のシステムを、言語学的な視点から考察したマーサ・オースティンさんの講演のためのポスターです。


  現在のグローバル化した世界とその日々の生活の中で、アサバスカンのことばをリバイバルさせるには、かつては存在しなかった現代の様々の事象に対応する新たなことばの組み合わせが必要になります。このパネルは、放射能、生物災害、リサイクル、テレビゲーム、ATM、スケートボードなど、同時代の様々な事象やモノをアサバスカンのことばがどのように活き活きと捉えるのかを確認するチェックボードです。国際会議の参加者の方に試験者になっていただいて、マークの下の空欄にアサバスカンのことばを書きこんでいただきました。ラウンジルームにはナヴァホ語が書きこまれたパネルを展示しています。空欄がいくつ埋まったか、是非、ご覧になって下さい。




  このパネルはナヴァホの機(はた)織りにみられる特徴的な色使いや幾何学模様をモチーフにしたものです。ナヴァホの機織機からつむぎだされるパタンには、デジタル的なデザインを連想させるものがあり、それがこのデザインのモチーフになっています。このパネルの前に立って、じっと見ていると、黒い文字と白い文字が背景のパタンの上に立体的に浮かびあがってくるようにデザインされています。鮮烈な印象を与える赤と青の組み合わせは、アサバスカンの人びとの服装や建物の色などにも好んで使われています。


  このパネルはアサバスカンのことばの断片が録音されたデジタル音声ファイルを音声解析装置にかけてグラフィック表示したものです。左から順番に「鍵竿」「赤牛」「あなたは私に昔話をする」「現実というものは」「あなたは北の方角に輝く光を見つけるだろう」「カラス」を意味する単語が並んでいます。下のアイコンをクリックすると、このパネルのもとになった音声ファイルを視聴することができます。

鍵竿
赤牛
あなたは私に
昔話をする
現実という
ものは
あなたは
北の方角に
輝く光を
見つける
だろう
カラス




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