ワタリガラスとオオカミ

 

 さて、ワタリガラスは滑っている。ただし、崖の下の川の結氷してない場所を滑っている。オオカミが近づいてきた。オオカミはワタリガラスに言った。

「お兄さん、私も滑りたい。」

ワタリガラスは言った。

「こら、おぼれるぞ。私だって結氷してない場所に着いたら飛び立つよ。」

「お兄さん、私も滑りたい。私にも足がある。ほら私は跳ぶよ。」

オオカミはすぐに跳んだが、おぼれてしまった。オオカミはワタリガラスに言った。

「お兄さん、引っ張ってくれ。そしたら白いトナカイの群れをあなたにやるよ。」

「引っ張らない。白いトナカイの群れは私にもある。 」

「お兄さん、引っ張ってくれ。そしたら黒いトナカイの群れをやるよ。」

「そんなものは私にもある。」

「お兄さん、引っ張ってくれ。そしたら私は太った野生のトナカイを殺すよ。あなたは尻の肉を食べなさい。」

ワタリガラスは言った。

「どうしてそれをずっと前に言わなかったのか?」

ワタリガラスはオオカミを引っ張った。するとオオカミはすぐに逃げている野生のトナカイを追って行って殺した。そしてただちに尻の肉を食べてしまった。ワタリガラスが飛んできた。

「お兄さん、あなたは尻の肉を食べてしまったのか?」

オオカミは言った。

「お兄さん、あなたの鋭いくちばしで首の肉を食べなさい。」