I. 首都アンタナナリヴ (Antananarivo, Tananarive, Tana , Iarivo , Analamanga)
- 電気
電力水力公社JIRAMAによって安定供給されている。220V/50hzが多いが、110Vもあるので注意が必要。とりわけ、同じ家屋内でも220Vと110V二つのコンセントがひかれていたりする場合もあるので、使用前に確かめること。ソケットも、フランス式二又C型が多いものの、まれに三つ又型もある。日本から家電製品を持ち込む時は、変圧器と交換ソケットプラグが必要になる。時々突然の停電があるので、PC使用者は注意。また、停電には到らないものの電圧が不安定になることや眼ではわからない瞬時の電流の寸断もあるため、PCは直接電源よりも充電池で駆動させたほうが安全。日本のPCは240Vまで対応しているが、アダプターからコンセントまでのコードが対応していないので、PCを日本から持ち込む人は同時に、対応コンセントを用意すること。雨季には落雷による停電もあるが、割合短時間で復旧する。とは言え、懐中電灯とロウソクの常備が必要。
- 水道
JIRAMAによって安定供給されている。Mandrosezaにある貯水池を水源とするが、塩素消毒もなされているので、飲料も可。気になる人は、煮沸消毒するか、<Sur l'Eau> の商品名で浄水剤が雑貨店・食料品店・薬局などで売られていて簡単に入手できるので、これを添加する。また、マダガスカル産を含めミネラルウォーターは、雑貨店からガソリンスタンドおよびスーパーマーケットまで豊富に出回っている。水道工事等により時々半日くらいの断水が地区毎にあるが、そのような時事前に断水のお知らせはないので、バケツ2杯くらいの水を常日頃から用意しておくと便利。水道工事が行われた時を除いて、特に水道水が濁ることはない。
- 燃料
プロパンガス、電気、灯油、炭が料理用の燃料。どの燃料とそのコンロも、入手は容易。都市ガスはなし。電気釜、電子レンジも入手可。炭と七輪(fatam-pera)も、プロパンガスが切れた時や、煮込みや焼き物には最適なので、用意しておくと重宝。5月から9月頃標高1000m以上の地域では、暖房器具が必要となる事がある。電気ストーブが手軽で便利かつ安全だが、電力消費量が多いので注意。灯油ストーブも売られているが、電気ストーブほど入手は用意ではないとの情報あり。
- 医療
国立病院、日本人シスターの勤めるカトリック系私立病院、パスツール研究所、在マダガスカル日本大使館勤務の医務官など、医療施設や医療環境は充実している。脳外科手術などの特殊な処置を除けば、対応可能。昨年からIlafyにある私立病院で、心臓外科手術も手掛けるようになった。電話での救急車による搬送の要請も可能。ただし、入院した場合、病院側が薬品等を用意してくれると共に食事が提供されまた身の回りの世話を看護士がしてくれる完全看護体制の病院はごく少数。歯科医師の数は多いものの、設備・技術・技工士の三点が揃った歯科医院の数は限られており、また処置料や技巧料もマダガスカルの物価水準から考えるとずいぶんと高いため、歯の処置は日本出発前に済ませておくことが望ましい。
薬局は市内に多数あり、薬品の品揃えも悪くはない。風邪薬、頭痛鎮痛剤、胃腸薬、各種ビタミン剤、かゆみ止め等、家庭医薬品も入手可能。しかしながら日本と薬品名が異なること、また有効薬剤成分の含有量が異なる(フランス製などの薬剤は有効成分が多く含まれる場合がある)ことがあるので、日本で常備薬を用いている人は、念のため持っていったほうが良い。
- 衛生
標高1300mの首都でもマラリア患者の発生が伝えられているが、数は少ない上、上記のように医療施設が完備しているため、首都在住者は、マラリア予防薬の定期服用の必要はない。ただし、地方に行って帰ってきた時は、罹患の可能性があるので、体調不良を覚えた時は、すぐに医師の診断を受けること。首都でも蚊は雨季を中心にかなり多いものの、防犯上の問題と冷涼な気候のため、夜間窓を開けておくことはないので、蚊帳を用いるかどうかはケースバイケース(マラリアとその対策については、このホームページにある「マラリア日記」を参照)。
首都では野菜や果実が豊富に出回っているが、回虫・蟯虫・嚢尾虫・ランブル繊毛虫・アメーバ赤痢やA型肝炎ウィルス・病原性大腸菌・細菌性赤痢による汚染、また残留農薬の心配があるので、生食する際は中性洗剤で良く洗うことを心がけること。特に、イチゴは皮を剥かずに生食するのが基本なので、要注意!ランブル繊毛虫症は、マダガスカル全土に多い。その症状を記すと、玉子の腐ったような匂いのげっぷ・腹部膨張感・屁と共の下痢(1日数回から10数回)が、3日から一週間くらい続く。生命にかかわる事はないものの、一度治ったように見えても根治しておかないと、肉など蛋白質を多く摂取した際に再発しやすい。アメーバ赤痢と同じく、メトロニダゾール(商品名 フラジール)が特効薬。病原性大腸菌による症状は、軽い腹部膨張感や軽い腹痛・1日10回から20回の下痢・時として微熱である。特に心臓や内臓の疾患の無い人間ならば、5日から10日くらいで自然治癒するが、かなり下痢がひどいため消耗する。食欲があるならば食事を十分に摂り、とりわけ水分補給を欠かさないこと。下痢がひどい時は、日本のスポーツドリンク類の摂取が有効。あるいは、ココヤシの実の中の液を飲むのも良い。治療のためには抗生物質や合成殺菌剤を使用するが、暴飲暴食を慎み、過労やストレスを避ける生活を心がけ、自己免疫力を高めることも予防効果がある。あるいは、宮入菌や乳酸菌やビフィズス菌などの腸内善玉菌の製剤を定期的に服用することも予防効果が高い。1990年代に入り、マダガスカルにもコレラが侵入してきたので、発熱もないのに水様性の下痢が一日数十回生じたような時は、すぐに医師の許に行くこと。暴飲暴食を避け、睡眠と食事を規則的かつ十分にとり、自分のペースで動くことを心がけることが、疾病を予防し、ケアレス・ミステイクに基づく事故やケガを防止することにもつながる。
ゴキブリとネズミが多いので、日本からゴキブリ用薬剤と殺鼠剤を持参すると役に立つ。石鹸・歯磨き・歯ブラシ・カミソリ・爪切り・シャンプー・リンス・クリーム・基礎化粧品・洗濯洗剤・中性洗剤・トイレットペーパー・ティッシュ・生理用品・コンドーム等は、<こだわり>がなければ入手は容易。先輩隊員から、生理用ショーツは日本から持参した方が良いとのアドバイスも。首都勤務でもノミに悩まされている協力隊員が多い。噴霧式や粉状の殺虫剤は市販されているが、燻蒸用にバルサ剤を持ってゆくと多少はその被害を防止できる。また、皮膚に塗る虫の忌避剤やかゆみ止めは自分の肌にあったものを日本から持ってゆく方がベター。ノミに咬まれた時は掻かないこと!!!炎症がひどい時は、抗ヒスタミン剤を服用するか抗ヒスタミン剤の入った塗布クリームが有効。一年くらい咬まれまくるとだんだん身体が慣れてはくる・・・。
マダガスカルはWHOのペスト汚染国に指定されており、毎年ペスト患者が発生しているものの、人口1900万人について数百人以下の発症者数なので、過度に心配する必要はない。ペスト感染時の諸症状を日本で調べて記憶し、それに該当する症状が出たら、すぐに医師の許へ行くこと。
マダガスカル政府機関から狂犬病流行に対する注意喚起が出されている。2008年もIhosy地方で狂犬による複数の咬傷被害者が報告されている。協力隊員は狂犬病の予防注射を済ませているが、それでも犬はもちろんのこと猫や野生動物にむやみに近づいたり手を出したりしないこと。万が一動物に咬まれた時は、咬んだ動物を捕獲し(生きていても死んでいてもいずれでも構わない)、その動物と共に即刻医師の許に行き手当を受けるか指示を受けること。動物の死体にも触れないこと。
それから、水虫もあなどることができず、また治療薬は日本の方が種類豊富なので最新の物を持ってゆくことがお勧め。かつて、水虫による皮膚の爛れた箇所から細菌が進入して全身炎症を起こし、ロンドンに緊急搬送された邦人あり。
性病はマダガスカル全土において都市部および農村部を問わず、エイズ/HIV・梅毒・淋病・軟性下疳・鼠径リンパ肉芽腫等および毛虱があるため、十分にその危険性を考慮の上、行動すること。
簡易浄化槽方式の水洗便所が普及しているが、一般家庭や共同住宅では溜め穴式も多い。一般の住宅に温水シャワーの設備は無く、冷水シャワーか水浴び。朝の気温が10度を割ることも多い高地アンタナナリヴでの水浴びには決意が要る。プロパンガスで沸かす給湯器が売られているので、これが電気式温水タンクに比べれば安くてお勧め。しかし、配管等の工事は必要。電気式の温水タンクも売られているが、高価な上、工事が必要。バケツに張った水に電極棒を入れて温水化する装置が電気店や街頭で売られている。これは安くて工事も不要。ただし、「壊れやすい」、「不良品がある」との使用者の声がある。
アンタナナリヴ市内には専門の眼鏡店もあるが、高価。コンタクトレンズも売られるようになってきたが、日本ほどバラエティなし。衛生管理上からソフトコンタクトは勧められない。コンタクト使用者も、万が一の場合や乾季は風が強く埃の多いことを考え、必ず眼鏡を持ってゆくこと。眼鏡やコンタクトは、基本的に日本での調達を前提とすること。
- 治安
首都の治安は年々悪化しており、昼間だからと言って必ずしも安心はできない。スリ、ひったくり、空き巣泥棒だけではなく、ナイフやピストルあるいは催涙スプレーなどを用いた路上強盗や家宅侵入も増えている。多額の現金を持ち歩かないこと。ポケット、特にズボンやパンタロンの後ろポケットやバックに多額の現金を入れないこと。パスポートや身分証明書、それにクレジットカード類は、現金と別にし、肌身に直接携えること。デイバックなどを肩や背にかけないこと。デイバックなどを使用する時は、胸に抱えること。銀行で多額の現金をおろしたり、換金したりする時は、とりわけ女性の場合は複数で行き、そこからすぐにタクシーを拾って帰宅することが望ましい。市場等に買い物に行く時は、必要最小限の現金だけを財布に入れること。
戸締まりは、扉には複数の鍵をつけること。不在時にはこまめに施錠すること。犬を飼うことができれば、ベター。それから、あまり親しくもない人に、自分が家に不在である時間帯や期間を言わないこと。夜間の外出は、複数でまた自動車で移動すること。首都では、銃器を持った強盗による被害も少なくはない。首都では、暗くなってからの徒歩での外出は極力避けること。夜間外出の際は、警察官や憲兵隊員による身分証明書の検査がよくあるので、パスポートまたは外国人登録証の携帯を忘れないこと。目立つ金製品などの宝飾品を身につけないこと。指輪の一つくらいならまだしも、ネックレスや大きなイヤリング・ピアスは危険。ひったくられた時に、ケガをすることもある。ちっと日本では考えられない治安上の自衛策としては、タクシーやタクシーベ(乗り合い路線タクシー)に乗車し窓際に座った時は、窓ガラスを閉めること。出発待ちや渋滞の時に、開いた窓から手を突っ込まれて眼鏡やサングラスやネックレス、あるいは携帯電話やバックを持ってゆかれた事例あり。
不幸にして強盗被害に遭った時は、抵抗せずに相手の要求するものを渡すこと。マダガスカルではここ10年ほど、アンタナナリヴや州都のような都市においても銃器を持った強盗団の起こす事件が珍しくなくなっている。南部・西部の農村地帯で跋扈しているdahaloないしmalasoと呼ばれる強盗団を除き、問答無用でいきなり発砲したり目撃者を残さないためにその場に居合わせた人間を皆殺しにしたりする強盗団は、都市部ではまださほど発生してはいないようである。強盗団が発砲した例の大半は、警察や憲兵の追跡を受けたり、家人や門番の逆襲を受けた場合である。
外務省の海外安全情報のHPのマダガスカルの欄に、誘拐についての注意喚起がなされている。現在誘拐は、乳幼児を対象としたものと成人を対象としたものがあり、主として首都アンタナナリヴで発生している。乳幼児の誘拐は、養子を希望する先への海外を含めた斡旋や臓器の提供を目的として行われていると言われる。一方、成人の誘拐は、身代金取得目的と恨みによるものである。両者ともマダガスカルに在住するインド−パキスタン系の人びとが被害の対象となったものが多い。日本人がこのような誘拐の対象となる危険が差し迫っているとは現段階では考えられないが、首都における夜間の単独での外出は避けたほうが賢明。
電話による緊急連絡を警察署で受け付けている。電話番号は、新聞やテレビに出ている。ただし、警察官の出動を要請するとガイジンの場合には、チップないし特別報酬を要求される事が多いので、その覚悟と心づもりが必要。とりわけ犯罪被害証明などの作成は、<有料>。市内には警察署(comissariat)と憲兵隊駐屯所(gendarmerie)の二つがある。
- 通信・コミュニュケーション
- 郵便
郵便局は、日本ほどではないがアンタナナリヴ市内各所にあり。土日は閉局。ポストもないわけではないが、郵便局内で投函した方が確実。日本とアンタナナリヴの間の航空便の所用日数は、一週間から二週間。5日で届いたこともあり。不着で困る郵便物については、書留(recomandé)扱いにすること。あるいはEMS便やDHL便も書類などを扱うので、特に重要な書簡類等はEMS便かDHL便扱いがお勧め。ただし、EMS便やDHL便は、基本料金が大変に高い。DHLの事務所は、Tsaralalanaにある。首都アンタナナリヴと日本との間であれば、航空便の不着は少ない。航空書簡や定額航空便封筒もあり、それらは切手を貼る必要がないので、地方から日本宛てに通信文だけを送る時は便利。マダガスカルの切手には、マダガスカルの動植物を図案化したものがあり、日本での評判が良い。
- 電話
家庭内の固定電話を除くと、公衆電話ボックス・郵便局・大きなホテルのロビーなどにカード式電話器が設置されている。ここから日本までの国際電話をダイヤル直通でかけることが可能。ただし、その時は度数の大きいテレフォンカードを複数用意すること。テレフォンカードは、郵便局・キオスク・雑貨店・スーパーマーケットなどで販売されている。公衆電話ボックスも、稼働率は高い。携帯電話は、ZEIN(旧CELETELL)・ORANGE・TELMAの三社が事業を展開。日本で言うプリペイド方式携帯電話。身分証明書があれば、簡単に購入することができる。携帯電話からの国際電話の発信と受信の双方が、可能。日本の携帯電話は使用できない(ソフトバンクおよびDOCOMOの海外ローミング機種は使用可能)。プリペイドカードは、郵便局・スーパーマーケット・キオスク・雑貨店・携帯電話販売店などで売られている。路上で売り子がプリペイドカードを販売しているが、使用済みカードを細工加工した偽物が売られていることがあるとの噂。2006年からTELMAが、一ヶ月39000ariaryの固定パック料金の電話型無線電話の販売を始めた。自宅でインターネットに接続するには便利だが、通信速度は遅いと言う。
- FAX
JICA事務所・日本大使館・各商社の事務所・各旅行会社・一部郵便局・一部商店などに設置されている。
- 小包
日本と異なり、どこの郵便局ででも小包の発送や受け取りができるわけではない。首都アンタナナリヴの場合、Tsaralalanaにある小包郵便局(Colis Postaux)一局がその窓口となる。日本から住所宛てに小包を発送しても、送達状が住所に届くだけで、受取人はその送達状を持って、小包郵便局に出向いて受け取らなければならない。小包局には税関の窓口支所があり、ここで受け取り・発送双方の際に内容物の検査を受ける。小包受け取りの際には、引き渡し手数料が徴収され、また内用品によっては関税を徴収される。所用日数は、航空郵便とほぼ同じ。ただし、EMS便を使うと一週間前後で到着する。日本まで限度いっぱいの20kgで、ほぼ200万FMG、すなわち2万円前後。また、TsaralalanaにあるDHLも、小包と書類の運送サービスをマダガスカルと海外の間で行っている。EMS便料金は郵便局窓口での現金支払いになるが、DHLではVISAカードでの支払いができる点で便利。
- インターネット
複数のプロバイダーがあると共に、サイバーカフェもあちらこちらにできている。また、一部郵便局もサイバーポストを併設し、インターネットを利用することができる。ただし、通信回線が電話回線の場合には、メールの送受信ならばさほど問題はないものの、ネットサーフィン等にはかなりの時間がかかる。現在、ADSL回線の導入が始まっている。また、日本語フォントを搭載したマシーンの有無については、各サイバーカフェで要チェック。プロバイダーとの契約に際しては、外国人の場合供託金を徴収されることもある。PCも販売されていて、デスクトップ型のモニターとのセットでだいたい6万円(500万FMG)くらいから。キーボードやフォント設定は、フランス仕様であることが多い。
協力隊員の場合、JICA事務所に隊員専用PCが設置されており、そこからインターネットやメールができる環境になっている。2008年にネット接続の最大手MOOVから、モバイル・カードキットが販売され始めた。ネット環境は、今後急速に改善されてゆく可能性がある。
- テレビ
アンタナナリヴ市内の地上波放送局は、現在7局。フランス語番組が多い。ニュースや天気予報は、フランス語とマダガスカル語の二つ。英語番組は少ない。別途契約による衛星放送テレビ局もあり。器材があれば、NHKの海外向け衛星放送も受信可能。受像器本体も2万円出せば、韓国製の新品カラーテレビが購入できる。日刊の新聞の多くにはテレビ覧があるので、放映予定の番組はそれを見ればわかる。ニュースを除くと、マダガスカル語番組は、音楽番組、HEHY FOHYのようなショート・コント、クイズ番組が主流。最近やっと、マダガスカル製連続ドラマが放送されるようになり、人気を博している。
- ラジオ
FM放送と短波放送がある。特に首都アンタナナリヴには、FM放送局の数が多く、音楽番組には事欠かない。短波放送は、RTMによるマダガスカル語放送が多く、公用マダガスカル語の勉強にはもってこい。特に、昼1時頃に放送されるラジオ・ドラマは、テレビが普及した現在でも根強い人気がある。声優さんたちの演技が上手なので、ある程度マダガスカル語がわかるようになったら、聴いてみることをお勧め。中国製などのラジカセが、安価に出回っている。田舎では短波放送しか受信できないので、田舎に住む人は、日本で高性能の短波ラジオを購入したほうが良い(地方に赴任する隊員には無線機が貸与され、それで短波ラジオを聴くことが可能)。NHKの日本語海外向け短波放送、電波の状態が良ければ、受信可能。
- 新聞
フランス語とマダガスカル語併用の日刊紙がMIDI・TRIBUNE・L'EXPRESS・LA GAZETTE DE LA GRANDE ILE・MALAZA・LA VE´RITE´の6紙、フランス語日刊紙がLES NOUVELLES・LE QUOTIDIENの2紙、マダガスカル語のみの日刊紙がGAZETIKO・TARATRA・VAOVAOの3紙、発行されている。スタンド、街頭、書店などで売られているばかりではなく、朝はこれらの新聞を抱えた売り子が町のあちらこちらを右往左往し、街角で店を広げているで、購入は簡単。朝の通勤途中に購入し、職場に着いてから最初にこれを読むのが、首都のサラリーマンや公務員の日課。マダガスカルで発行されている英字新聞はまだない。事故や犯罪などの三面記事的内容は、フランス語とマダガスカル語併用紙ではマダガスカル語で書かれていることが多いので、要チェック!また、経済分析では DMD誌 [DANS LES MEDIA DEMAIN](週刊)、政治経済社会全般の分析や解説では REVUE DE MADAGASCAR誌(月刊)が優れている。フランス語とマダガスカル語併用のカトリックの機関紙 Lakoroa(週刊) 、全国に張りめぐらされたカトリック教会のネットワークから独自の情報を拾ってくるため、時折他紙にはない注目すべき記事が掲載されることがある。
- 本屋・図書館等
大きな書店は、独立通り沿いに集中している。Librarie Madagascar , Librarie Mixte , Librarie Md.Paoly , Librarie Antso など。Isorakaの日本大使館の斜め向かいにある、CMPL書店も店構えは大きくないものの輸入書籍を中心に良い品揃え。古本屋は、独立通りを駅からまっすぐ南に下がったAmbohijatovoの一帯に集中している。雑誌、一般書籍、教科書類まで種種雑多な書籍が売られているが、探求書がある場合は、それを向こうに伝えておくと、捜してくれる。図書館は、一般書籍ならばAnosyのHotel Hiltonの隣にある国立図書館(Tranombokim-pirenena)、マダガスカルの人文社会・歴史・自然関係の書籍ならばTsimbazazaの動植物公園内にある国立マダガスカル学士院(L'Academie Ntionale)の図書館とマダガスカルの文化や歴史についての書籍ならばFaravohitraのアンタナナリヴ大学考古−芸術博物館(Musee d'Art et d'Archeologie)図書館が充実している。また、フランス統治時代からの行政文書は、Tsaralalanaの国立公文書館(Arisivam-pirenena)で閲覧可能。
Ambanidiaにある国立地図制作局FTM(日本の国土地理院に相当)では、マダガスカルの様々な種類の地図だけではなく、航空写真、フランス統治時代初期の古写真なども買うことができるので、一度行ってみる価値あり。それから、フランス統治時代中期から第一共和制までの記録写真が、AmbohidaにあるANTA(Sunny HotelとスポーツクラブACSAとのちょうど間)に大量にファイリングされて保存されているので、これも一見の価値あり。
- 交通
フランスと同じく車が右側通行なので、道を横断する時は先に左を見る事に注意!首都アンタナナリヴは車輌が多い上、信号がほとんど無く、また横断歩道帯も少ないので、道路を横断する時は細心の注意が必要。
- バス・タクシーベ
料金固定の300ariary(約20円)。徒歩以外では、一番安い移動手段。車掌に直接現金払い。回数券・カードはなし。前者は大型バス、後者(タクシーベ/ブクシー)はミニバンやマイクロバスなどの車輌。午前6時頃から午後8時頃までの路線運行。夜間は、運行されていない。時刻表はなし。系統番号と行き先と経由地が表示されている。途中の停留所で降車する時は、“Misy miala!”「降ります!」とマダガスカル語で降車の意志表示をすること。混雑時の車内では前述したスリもいるので、現金・時計・携帯電話には要注意!
- タクシー
現在のところメーター制タクシーは走っていない。凡その公的料金設定はあるものの、基本的に料金は運転手との交渉次第。初乗り運賃は昼間で、3000ariaryから。目的地をなるべく詳細に運転手に告げ、料金交渉を行うこと。渋滞のひどい時は、同じ時間帯・同じ距離でも高い料金を請求される。夜間は、昼間の料金の3割から5割増し(行き先で帰りの客を拾うことのできる可能性による所が大きい)。タクシーは、夜間でもディスコやキャバレーなど人の集まる所には必ずいる。早朝や深夜にタクシー便が必要な時は、昼間タクシーの運転手と個別に交渉を行い、料金を決めた上で予約して指定の場所まで来てもらうようにする。シトロエン2CVやルノー4Lなどの小型車種のタクシーの方が、料金は概して安い。5000ariary札や10000ariaryなどの高額紙幣しか手持ちがない時は、運転手にその旨を乗ってから伝えること。そうしないと、運転手に釣り銭の準備がない場合が、ままある。釣り銭の無い運転手は、高額紙幣を受け取ると途中のガソリンスタンドで給油し、小額紙幣を入手する。
- レンタカー
車輌本体だけの貸し出しも、運転手付きの貸し出しもある。日借り料金システムと走行距離料金システムがある。保険料とガソリン・軽油代も借り手負担のため、レンタカー代は、日本で借りるのと大差がないほど、高い。車種は、四輪駆動車・通常乗用車・ミニバンなど。首都ならばレンタ・オートバイもある(ただし、隊員の車・オートバイの所有および運転は禁じられている)。
- 原動機付き自転車・オートバイ
原動機付き自転車とオートバイは、新車が簡単に購入できる。特に、原動機付き自転車は免許が要らない上、価格も6万円から7万円で買うことができる。首都は車が多く、また道が湾曲し上り下りが激しいので、原動機付き自転車やバイクに日本で乗り慣れていないと交通事故のリスクあり。中古原動機付き自転車やオートバイを買いたい場合は、個人的なつてだけではなく、新聞のインフォアメーション欄の<買います・求めています>コーナーに情報を掲載することも一つの手(ただし、隊員の車・オートバイの所有および運転は禁じられている)。
- 自転車
5000円から1万円で中国製などの新品を購入することができる。ただし、首都は丘が多いため、自転車を使うことのできる地域や地区は限られている。
- プス(人力車)
首都アンタナナリヴは坂が多いことと車の通行が激しいため、プスは人の運搬ではなく、もっぱら荷物の運搬に用いられる。
- 衣料
中国製・マダガスカル製の衣料が豊富に出回っており、デザイン等に<こだわり>がなければ安価で実用には問題なし。フランス製衣料も輸入されているが、前者に比べ高価。インド製・タイ製・インドネシア製の布が輸入されていてこれも安価な上、マダガスカルの縫製料は安いので、布を自分で購入して店に持ち込み仕立ててもらうのも、フォーマルないしセミフォーマルウェアではお勧め。首都は内陸高地に位置する関係で寒暖の差が激しいため、重ね着をするのがベター。5月下旬から8月頃には朝の最低気温が5度くらいまで下がることもある上、その頃にはよくerikaと呼ばれる霧雨が南東の風と共に終日降ることがあるが、このような日は日中15度から17度くらいまでしか気温が上がらず、大変に寒く体感する。<熱帯の島>ではあるものの、薄手のセーターやカーディガン、ブルゾン、ウィンドブレーカー、アノラックの類は必須。靴・下着から日常着、フォーマルウェアーまで、<こだわらなければ>、現地調達は十分に可能。フォーマルウェアーは、男女ともスーツ1着あれば十分(隊員の制服一着あればOK)。フォーマルウェアーを着用する機会は、マダガスカル政府関係者や日本大使館関係者との面会(協力隊員ではないがサンダルにGパン、Tシャツで大使と面会した猛者もいるらしい・・・)、結婚式あるいは葬式への参加など。ディスコの服装コードは、うるさくない。市内にはAnalakelyから独立通り近辺を中心にクリーニング店も何軒かあり。電気店では洗濯機も売られているが、一般家庭にはほとんど普及していない。
衣料ではないが、首都アンタナナリヴでは12月から3月の雨季だけではなく、乾季の5月から9月頃にも雨の降ることがあるので、日本から折りたたみ傘を持ってゆくと便利。マダガスカルでも中国製?の折りたたみ傘が売られているものの、すぐ毀れる。靴屋は、市内各所にあり。マダガスカル製や中国製から外国製まで。Ankorondranoのスーパーマーケット Jeanscore Jumboに併設されているショッピング街Zoomでは、ナイキやリーボックの靴も買うことができる。寝具として毛布は必需品だが、雑貨店や市場で簡単に入手することができる。
- 娯楽
Tana Guide と言う本が書店で購入できる。首都における文化関係の情報源については、この本に詳しい。
- レンタルビデオ店
首都には何軒かあり。しかしここ数年は、中国製?DVDプレーヤーが安く出回っていることと、街頭で海賊版のVCDソフトが安価に売られているため、そちらに人気が移行しつつある。レンタルCD・VCD店も、少しずつあらわれはじめている。レンタルされたり売られたりしているソフトは、外国製の映画か内外の音楽が多い。最近は、マダガスカル製アクションや家庭ドラマのVCDも売られている。
- 映画館
テレビ・ビデオの普及と夜間の治安悪化によって、映画館はほぼ全滅。Ambohidaのトンネルの手前にあるRITZ・ REXの二館だけが、土曜日・日曜日の昼間、マダガスカル製映画がかかった時だけ、開館している。独立通りにあるフランス大使館後援のアルベール・カミューセンターでも、時折フランス製映画を上映。映画館が開かれていた頃は、フランス語吹き替えがなされた日本製映画が上映されることもあった。今は午前中から深夜まで、テレビで映画が放送されているため、映画を見たい人は、毎日の新聞のテレビ覧で番組を要チェック。アダルトな内容の映画は、小中高生が学校に行っている平日の午前中によくやっている。
- 催し物
音楽コンサートは、Mahamasinaにある国立体育館(Palais des Sports)かAntsahamanitra(Ambohitsorohitraにある大統領官邸のすぐ裏手)の野外音楽堂、Antsonjombe(Analamahitsyの近く)の屋外会場、まれにAntaninareninaの旧映画館ROXYで開催される。PoopyやBodoやNjakatianaと言った超有名歌手のコンサートは、国立体育館かAntsahamanitraの野外音楽堂の何れかで行われる。上述の独立通りにあるフランス大使館後援のアルベール・カミューセンターでも映画だけではなく、コンサートや演劇が上演されることがある。マダガスカルの伝統芸術である、HIRA GASY(野外総合バラエティショー集団のようなもの 歌あり踊りありスピーチあり)は、Isotryにあるホールで日曜日に開催されることが多い。それから、毎週金曜日・土曜日・日曜日の午後8時くらいから、独立通りにある Hotel Glacierのホールにおいて、マダガスカルの生バンド演奏によるキャバレーが開かれる。Tianjama、Jaojaoby、Tearanoなどの有名バンドも登場。催し物の情報は、新聞・ラジオ・テレビもしくは、町に貼られているポスターから得ることができる。日本の『ぴあ』のような週間の情報誌は、現在のところ発刊されていない。
- ディスコ
Hotel Hiltonをはじめ、市内には6軒か7軒くらいディスコがある。上記のHotel Glacierで開催されるキャバレーを除くと、生バンド演奏の入る常設ディスコはない。ディスコで流される曲は、アメリカやヨーロッパのポップ、アメリカの黒人ヒップホップ、カリブのレゲエ、アフリカのリンガラ、マダガスカルのダンス音楽と幅が広い。入り口でチケットを買い、それがワンドリンクとセットになっているシステムが多い。ただし、Hotel Glacierのキャバレーを除くと、ディスコの開場は午後10時、人が集まってくるのは11時以降、最盛期は午前1時から2時頃。週末の金曜日と土曜日に賑わう。ディスコの周囲には、深夜でも必ずタクシーが待っているので、帰りの足を心配する必要はない。服装コードは、ほとんどなし。
- ジム・スポーツクラブ等
市内のど真ん中のAmbohidaにテニスとプールを主体にした名門スポーツクラブACSAがあり、また郊外にはマダガスカル唯一?のゴルフ場もある。トレーニングマシーンを置いたフィットネスジムは、市内に何ヶ所かあり。ヨガ道場、マッサージ・ルーム、エステサロンもある。空手の道場は、市内各所にあり。柔道、テコンドーの道場もあり。Tsimbazaza動植物公園は、せっかく行ったならば、国立学士院(L'Academie Ntionale)の階下にある入場料無料のマダガスカルの自然と文化についての展示室も覗いたほうが良い。
- 音楽ソフト販売店
Analakely市場の南端にあるSuper Music。店舗は小さいものの、マダガスカルの音楽とマダガスカルで流行っているワールドポップスのカセットとCDが店内に溢れている。また、PoopyやBodoのコンサートが市内である時は、そのチケットもここで販売している。スーパーマーケットAnkorondarnoのJeanscore Jumbo店には、店内にカセット・CD・ビデオ・DVDコーナーがあり、品揃えが充実している。町の路肩や露店でも、海賊版のカセットやCD・VCDが売られており、音質や画質は保証の限りではないが、正規版の半値以下くらいの値段で買うことができる。最近海賊版の取り締まりが強化され、一応、正規版のみが売られていることになっている。ロック・レゲエ・ヒップホップ・リンガラまでかなり多用な音楽ジャンルのソフトが輸入されており、正規版でも価格は日本のそれより安い。日本の音楽ソフトは輸入されていないので、それが聴きたい人は、日本で購入し各自持ってゆくこと。
- 美容室・床屋
アンタナナリヴ市内には、到る所にあり。その料金と技量も千差万別。両者が併設されている店もある。自分で気に入った店を見つける必要あり。パーマ液や毛染め液は持ち込みもできるので、日本から自分がふだん使っている物を買って持ってゆくことも可。パーマ液、毛染め液、ヘアークリーム、シャンプーなどを売る店は、AnalakelyからTsaralalana近辺に幾つもある。行きつけの美容室や床屋では、料金に加えてチップを出すと、次ぎからのサービスが良くなる。
- 宿泊
市内には、上から下まで各種のホテルあり。安いホテルは、トイレとシャワーが共同の上、温水シャワーの無い所もある。一泊1000円くらいのホテルから、室内にトイレと温水シャワーが完備する。三つ星以上のホテルでは、カードでの支払いを受け付けることが多い。使用できるカードは、VISAがほとんど。何日か宿泊する時は、自分の部屋担当のメイドさんに1日につき200ariaryか400ariaryくらい直接手渡すとサービスが良くなる。枕チップの習慣は普及していないので、直接手渡すのがベター。
- 買い物
【マダガスカルの通貨表示について】
現在マダガスカルでは、アリアーリ(ariary)に通貨表示が統一されていますが、マダガスカル・フラン(Franc Malgache、FMGと省略表記)も日常生活の中では健在です。両者の表示は等価ではなく、5FMG=1ariary のレートになっています。アリアーリは、19世紀までマダガスカルの大半の国土を支配していたイメリナ王国(Imerina)の通貨単位です(ちなみに西のSakalava王国の通貨単位はparataでした)。フランス植民地時代、1アリアーリが5CFAの固定為替レートで取引されていた事があり、その名残で現在でも、5FMG=1ariaryと言う換算での二つの通貨表示が用いられています。そのため、硬貨にはアリアーリ表示が刻印され、札にはマダガスカル・フランとアリアーリの両表示が印字されています。硬貨に刻印されている数字の10は 10ariary=50FMG、刻印されている数字の20は 20ariary=100FMG、刻印されている数字の50は 50ariary=250FMG を表します。旧札には、マダガスカル・フラン(FMG)の数字が印字されていますが、新札には ariary の数字が印字されています。新札に印字されている数字の1000は 1000ariary=5000FMG、印字されている数字の2000は 2000ariary=10000FMG、印字されている数字の5000は 5000ariary=25000FMG、印字されている数字の10000は 10000ariary=50000FMG を表します。旧札に印字されている数字の500は、そのまま500FMGを表し、ariaryの表示は、札の下部に ariary zato とマダガスカル語で書かれています。また、旧札に印字されている数字の1000は、そのまま1000FMGを表し、ariaryの表示は、札の下部に roan-jato ariary とマダガスカル語で書かれています。マダガスカル語で売り買いをした時は、相手がこのアリアーリの価格を言ってくる事が多いので、注意してください。もちろん、アリアーリ価格の時は、マダガスカル語の数詞が用いられることが多いため、数字をしっかりと覚えてください。
- 市場(tsena)
Analakely 、Pocahrd 、Andravoahangy(水曜日)、 Isotry (土曜日)、Mahamasina (木曜日)、Besarety (火曜日)などに常設の市場がある。日常の食料品・衣料品・雑貨は、ここで入手可。とりわけ一週間一回のそれぞれの地区の市の日(( )内に表示)には、露天商が集まり他の日よりも物品が豊富。現金取引。値切り交渉(miady varotra)が、必要。スリも多いため、お金や時計、携帯電話には要注意!それから、67ha-Nord のサッカー場近辺で、木曜日から金曜日・土曜日にかけて 野外市Tsena Komaが開催される。上記の常設市と異なるのは、手で作られた物の販売が主であること。バックや帽子をはじめとする様々な手工芸品、ベッド・机・椅子・タンスなどの家具を安く購入できる。
【値切り交渉のやり方】:野菜など少額商品ではほとんど値切り交渉の余地がないが(それでもトライする価値はあり)、高額商品になればなるほど値切り交渉が必要となる。売り手と買い手双方が自分の思うところの値段を提示し、双方で折り合いをつけるわけだが、次ぎのことに注意!!!
1)品定めやウィンドウショッピングや冷やかしの段階で、その物を買うかどうか自体決まっていない時は、売り手から値段を提示されても、「まだ見ているだけですよ〜」(Mbola mijerijery ihany)と言って買い手側の価格を表示しないことがベスト。あるいは、売り手の提示した額よりも極端に低い額を提示すること。なぜなら、中途半端な額を示して、売り手がその額まで降りてきた時は、その物を買うことが原則であり、そこで買わないと売り手に対し大変に悪い印象を与えることになるからである。
2)売り手が買い手の提示した額に同意した時は、必要であろうがなかろうがその物を買うこと!私もPochardの市場で買い物をしようとした時、売り手の提示した金額と私が提示した金額との差が埋まらずに交渉が決裂し、Pochardの市場を出た時にその売り手が追いかけてきて私の提示した金額に同意したため、結局その物を買った経験がある。したがって、上記のようにウィンドウショッピングや冷やかしの段階で提示した<極端に低い金額>でも売り手がそれに同意した時は、買わなければならない。
安く買うコツとしては、買い手が値段を言い、売り手が値段を言い、次ぎにそれを受けて買い手が値段を言ったくらいの交渉の段階で、「まだ高いなあ じゃあ、また」(Mbola lafo ihany , amin'ny manaraka koa)と言って交渉を打ち切りその場を立ち去ること。そうした場合、売り手の側に売りたいとの意志がありまた提示した額に交渉の余地があると判断した時は、かなり安い値段を言ってくる。もしその状況でも値段を売り手が変えてこない時は、二番目に売り手の提示した価格がほぼ売り手側の希望価格に近い事を示している。
- 店舗
アンタナナリヴ市内の何処にでも食料品店や雑貨店があるので、塩・砂糖・食用油・マッチ・ロウソク・灯油・パン・チーズ・コンデスミルク・ロングライフ牛乳・中華乾麺・マカロニ・トイレットペーパー・ミネラルウオーター・清涼飲料・ビール・ラム酒・電球・蚊取り線香・乾電池・封筒・学用ノート・ボールペンなどの日常用品を手軽に買うことができる。また、ガソリンスタンドに併設されている店も日本のコンビニほどまではゆかないにせよ飲料品と食品を中心に生活必需品を揃えている上、24時間営業なのでいざと言う時に便利。衣料品店はBehoririkaとAnalakely地区に集中している。食料品店は、Analakely近辺に多い。Behoririka地区には、中国人商店が多く、衣料品だけではなく、中国雑貨から中国食品まで調達できる。一般店舗でカードを使用できるのは、宝石店や衣料品店などの一部で、まだ少数に留まっている。VISAカードが一番広く流通しており、次ぎがMASTERカード。AMERICA EXPRESS とDINERSカードは、首都アンタナナリヴにおいてさえ、使うことのできる場所が極めて限られている。電気店では、テレビ・ビデオデッキ・DVDプレーヤー・冷蔵庫・洗濯機・ラジカセ・プロパンガスレンジ・電気ストーブなどだけではなく、電子レンジからドライヤー・アイロンやCDウォークマンまで、必要電化製品のほとんどが入手可能。寝具については、ベッドとマットレスを家具店か家具等の市場で、マットレスや毛布等を衣料品店か雑貨店で購入可能。
- スーパーマーケット
Shoprite と JeanscoreとLeader Price が、アンタナナリヴ市内に展開する三大スーパーマーケット・チェーン。VISAカードでの支払いが可能。その他にもAmbanidiaのトンネルを出たところの中国人スーパー、その他に少し遠くなるが空港に近いIvatoの町に中国人経営のスーパーマーケット Horizon Ivato Supermarche(H.I.S)があり、特にH.I.S.は品揃えが豊富で安く中国食品が豊富なので、遠くても行ってみる価値あり。スーパーマーケットの品物の値段は、市中の値段に比べ必ずしも安いわけではないが、スリの心配なく多くの品物がそこ一ヶ所で揃う事が最大のメリット。
- 食生活
- レストラン
アンタナナリヴ市内には各国料理のレストランがある。マダガスカル料理とフランス料理はもちろんのこと、イタリア料理・中華料理・インド料理・韓国料理・インドネシア料理・タイ料理・メキシコ料理の各レストランがある。アンタナナリヴ市内には、最近テイク・アウト専用ピザ屋が沢山できている。日本の宅配ピザ店のように冷凍生地に具だけ載せて焼くのではなく、その場で生地からこねて焼き上げるので、どこもそこそこ美味しい。またこのような店は石窯を持っているため、特別注文で子豚やニワトリやアヒルの丸焼きを作ってくれる。マダガスカルにはまだマクドナルドなどの外資系ハンバーガーチェーンは進出していないが、ハンバーガーやフライドポテトやフライドチキンなどのスナックを手軽かつスピーディーに食べさせる店が近年少しずつ増えている。
レストランでは、ボーイやウェートレスさんが勘定書(l'addition ラディションと発音)をテーブルまで持ってくるので、釣り銭を受け取った時にチップを置いてゆくこと。チップの額は、そのレストランの<格>によって違うので、ちょい難しい。、三ツ星以上ならば、飲食費全体の5パーセントくらいが目安。ただし、高級レストランでも勘定書にサービス料が入っている所では、ほんの心付け程度の金額で構わない。
- 現地食堂(hotely)
マダガスカルには Hotelなる看板がやたら目につくが、この多くはマダガスカル料理を迅速に供する現地食堂のこと。ご飯を炊き、おかずを鍋に作り置きしてあるので、席に座って5分以内に食事が出てくる。安くて早く、味も悪くはないので、是非活用して欲しい。ただし、外で食べるマダガスカル料理は脂っこいものが多い。マダガスカルのレストランでは多くの場合水は有料であるが、このhotelyではご飯を炊いた鍋に水を加えて沸かした rano volaないし ranon'ampangoは無料。Hotelyでは、食事が終わって出る時に、オーナーに直接代金を支払い、チップは必要なし。
AnalakelyからのAndrianampoimerina通りとRabezavana通りとが交わる手前のガソリンスタンドの真向かいにある中華レストランJonquille(ここも本格中華ではないが安くて美味しい 特に中国粥)と一軒置いて並んでいるhotely は、なぜか通称 Hilton Gasy(マダガスカルのヒルトン・ホテル)と呼ばれ、24時間営業の上独立通りに近く、料理の種類も hotelyとしてはたいへんに多く、便利。
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- 立ち食い
市場の周辺や路傍には、簡単な店舗から全くの露店まで、立ち食い(sakafo fitsangana)がたくさんある。立ち食いの店で供するものは、上記のhotelyと同じご飯とおかずのマダガスカル料理、コーヒーやお茶と mofo(パンや小麦粉や米粉を水に溶いて揚げたドーナッツ状のものや、炊いたご飯を型に入れて焼いたものなど多種多様)、串焼き(tsaky , mosokita)、の三種に大別される。同じマダガスカル料理でも、現地食堂のhotelyよりも、場所代のかかっていない分さらに値が安い。
- 自炊
アンタナナリヴ市内では先述したようにプロパンガスコンロや電気コンロあるいは灯油コンロ、七輪(fatam-pera)の購入は容易であり、また電気釜も多くの雑貨店や電気店で売られているので、炊事道具を揃える上での問題はない。材料は、上述の市場やスーパーマーケットあるいは各地区に必ず小さな青空市場があるので、そこで調達。日本米(ジャポニカ)もAmbatondrazaka地方を中心に作られていないわけではないが、流通量は少ないので、アンタナナリヴ市内での入手は難しいかもしれない。マダガスカル人の8割近い人びとの主食は、米。したがって、米は、市場でも露店でもスーパーマーケットでも雑貨店でも売られている。インディカ米と言うとパラパラで粘り気のない米をイメージするかもしれないが、マダガスカルのインディカ米の品種は多く、tsipala fotsy などは新米であれば、日本米に近い味がする。また、国際稲作研究所が開発した高収穫品種系統(IRI-8号やIRI-16号など)は、あまり味はないものの短粒の白米で、疑似日本米食感。米の食感を良くするには、洗米の前に選別を入念にすることが効果大。石や籾などの異物を取り除くことはもちろん、欠けた米や不揃いな米などを取り除き、粒を揃えるとぐっと食感が良くなる。ただし、インディカ米は冷えると食感が落ちるので、冷や飯の好きな人は、注意。だいぶ減ったとは言えアンタナナリヴ市内でもまだ赤米が売られていて、赤米を炊いてみるのも一興。脂っこいおかずとは良く合う。
中国醤油は市内の食料品店の多くに置いてあるし、乾燥椎茸も先述のIVATOにある中国人スーパーマーケットやBehoririkaの中国食材店で買うことができるが、鰹だしはない。魚系のだしは、マダガスカル料理でスープの具にする vary lava と呼ばれる小魚の干物があるので、これを代用すると良い。味噌は入手不可能なので、味噌汁の好きな人は、日本から真空パックされたものなどを持って行くこと。乾燥昆布やひじきも、入手不可能なため、持参の必要あり。日本酒もなし。どこの食料品−飲料品店でも置いてある白ラム酒を煮込みの際に加える日本酒や焼酎の代わりとして用いることは、可能。
フランスパンのバケットやカンパーニュ、カマンベールなどのチーズ、ベーコンやハム、瓶詰めジャム、フォワグラなどは、日本よりも安くて美味しい。Mahamasinaの競技場の東側にある中国人経営のパン屋Gerbe d'Orは、市中で売っているフランスパンを大量製造する一方、手作りパンを店でのみ販売していて、ここのカンパーニュ等のパンはお勧め。Antanimenaにチョコレート製造会社Chocolat Robertの直営店、Tsaralalanaにコーヒーと紅茶の製造会社TAFの直営店がある。前者では、マダガスカル製手作りチョコレートが、後者では各国のコーヒーと紅茶それに中国茶が入手できる。マダガスカル産ワインも、赤・白・ピンク・灰色(gris)と売られている。安いが、防腐剤等の添加物多いとの話もあり。ワイン専門店もあるが、外国産ワインは、かなり高価。ケーキ専門店は少なく、高級ホテルかパン屋に併設して売られていることが多い。現代日本のケーキ専門店の繊細な味と比べると分が悪い。
- 金融機関
BNI Madagascar (BNI) , BFV-SG , Bank of Africa(BOA , 以前の BTM) , Banque Malgache de l'Ocean Indien (BMOI) , Mauritius Commercial Bank (MCB)が、大手銀行。各金融機関では、外貨の換金ができるが、円札の換金ははBNIで受け付ける。国立銀行の頃は各行とも同じ換金レートだったが、現在は銀行によって換金方法もレートも異なるので注意!BFV-SG・BOA・BMOI・MCBでは換金手数料や税金が換金額全体から差し引かれる方式であるのに対し、BNIでは換金手数料や税金が込みのため窓口で提示されている換金レートそのものの額を手にすることができる方式。当然の事ながら、BNIの換金レートは、他行のそれよりも低い。また、TCからの換金の際には、身分証明書だけではなく発行時の番号控えの提示が求められる。TCは、VISA・AMEX・THOMASCOOKの三社のものがよく流通する。このうちBNIとBFV-SG、BOA、BMOIには現金自動支払機が設置されており、銀行カードによる引き下ろしができる他、VISAカードでのキャッシングが可能。また、これらの銀行では、窓口でも身分証明書とMASTERカードもしくはVISAカードを添えて出せば、同じようにキャッシングができる。モーリシャスに本店があるMCBでは、窓口で身分証明書を提示すればMASTERカードでのキャッシングができる。この他市内には、両替専門店が何軒かある。このような両替専門店の周囲や高級ホテル近辺や空港にはライセンスを持たない闇両替人がうろうろしている。偽札を掴まされることはないようだが、レートをごまかされたり、支払いの札の枚数をごまかされたりするので要注意!
協力隊員については、BFV-SGに口座が開設され、生活費等の一切がそこに振り込まれる。派遣時のオリエンテーションにおいて、銀行の使い方等については、細かく教えてもらえる。
日本からお金を緊急に振り込み受け取る必要がある時は、送金専門会社Western Unionを利用すると安全・確実・迅速。日本におけるWestern Unionの業務は、スルガ銀行が代行しているので、スルガ銀行のHPないしWestren UnionのHPを参照のこと(スルガ銀行がこのWestern Unionの業務を扱うのは2010年1月末までなので、要注意!)。東京では日本橋と渋谷に、支所がある。Western Unionを用いてマダガスカルに送金すると、数十分後にはマダガスカルで現金を受け取ることができる。送金は邦貨になるが、受け取りはマダガスカル現地通貨でしかできない。Western Unionのマダガスカルにおける窓口は、郵便局・BFV-SG・BNIおよびCaisse d'Epargne Madagascar(マダガスカル貯蓄銀行)など各所にあるため便利。マダガスカル向けに送金されたお金は、マダガスカルのWestern Union の何処の支所や窓口でも受け取ることができる。送金を受け取る際には、身分証明書・送金番号(送金した時に払い込み人に渡される書類に記載されている)・質問と答え(自分の名前でも送金人の名前でも何でも良い)の三つが必要となる。ただし、送金手数料は通常の銀行口座宛て振り込みよりも倍くらい高い。
また日本の各郵便局から国際送金為替を使って、住所宛ての送金も行うことができる。郵便局からの口座宛て送金はできない。郵便局のある都市や町だったら何処でも送金可能。送金から受け取るまでの日数は航空便の所用日数と同じ。首都アンタナナリヴで10日から2週間、州都で2週間から3週間、地方都市で3週間前後である。送金手数料は、一律1000円と安い。
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