オスマン朝演劇ポスター展



番号:024
年月日:ヒジュラ暦(1329年)ラマダーン月8日(1911年9月1日)
劇場:ベイオウルのテペバシュ公営劇場
劇団:新劇劇団
演目:我が妻が義理の母になった
構成:3幕
解説:レシャト・ルドヴァンの原作による、いわゆるオスマン物である。1908年の青 年トルコ革命以降、それまでの専制時代に制限されていた演劇活動が堰をきったよう に活発となり、新しい劇団が生まれたり、あるいは合併や分裂をくりかえした。した がって、演出家も役者もさまざまな劇団のポスターあるいはプログラムに登場するこ とになる。主演は当時のナンバー1男優ブルハネッディン、監督はムシュ・ナタンソ ン、演出は重鎮のレシャット・ベイである。プログラムの形式や寄席演芸の形式はオ スマン国民劇団のそれとまったくおなじであることから、オスマン国民劇団の性格を 多く受けついだ劇団だと思われる。ブルハネッディンの写真の下に記載されたオスマ ン語で「シール・テル」という店の広告は、この形式の多くのプログラムに見ること ができる。ここには、「芝居がはねてから、少々お休みいただくために、または遠方 に住んでいるために汽船の時間待ちをなさりたい場合には、おいしい夜食、アイラン (ヨーグルト飲料)、甘菓子、ケーキをご用意しております」と記されている。夜お そくまでかかる演劇興行は、一方では汽船の時間や本数にも、他方では外食店の営業 にも大きく影響していたことが理解されよう。

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