但し、良い事ばかりではありません。まず、作成するのにかなり時間が掛かるでしょう。特に、民族の象徴としての意味を持たせる場合、他の文字とは異なった、独自性が要求されると思います。今までに無い新たな文字形成の原理というのがどんなものなのか、私には想像も出来ません。アルファベットなり何なりの既存の文字に見られる原理を利用するにしても、他の文字と似ていなく、見た目にも美しい、センスのある文字を作るのは容易な事ではないでしょう。そこまで独創性を要求しないにしても、新たな文字の作成は容易な事ではありません。
又、その地域内外に普及させるのにも時間(とお金)が当然掛かります。コンピューターでも直ぐには利用出来ないでしょう。
こうした点に関して、少なくとも言語学者は基本的には何も手助け出来ません。既存の文字を利用してしまえばこれらの困難の大部分は解決してしまうのですが。
しかし、こうした独創文字の試みは皆無ではありませんし、ハングルのように成功を収めた例もあります。正書法制定に際し、考えてみる価値は充分あると思います。
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まとめ
新しい文字を作成するのは困難である。但し不可能ではないし非常に意義深い事である。
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