ウェブ版AFLANG年報
AFLANGは、河南省洛陽市の紙の値段を高騰させる豪華学術論文を次々と、ウェブに掲載します。研究発表の舞台として、紙のメディアを排し、ブラウン管や液晶画面を用いた新しい形態を、皆で推し進めようではありませぬか。
(白状いたします。これには海よりも深ーい理由があります。AA研の倉庫には、洛陽のチリ紙交換市場のレートを暴落させるであろう出版物が山脈と積まれて、ドリルの刃をおっ立てる余地もないのです。ウェブ出版だったら、ドリルの先っぽに何百巻でも納めちゃえるんです。)
なおこの年報は、ダウンロードは自由です。但し引用をなさった際は、著者とAFLANGに一言お声をおかけ下さい。
- Volume 199603:
SHIMIZU, Kiyoshi:
A Kulu Vocabulary and Fragments of Kulu Grammatical Structures
(入稿・平成8年3月。 批評・コメントは
清水 まで)
- Volume 199607:
RATCLIFFE, Robert R.:
The Broken Plural and Semitic Sub-classification
(入稿・平成8年7月。 批評・コメントは
ラトクリフ まで)
- Volume 199704:
梶 茂樹:
テンボ語の親族名称
(入稿:平成9年4月。 批評・コメントは
梶 まで)
本稿は、アフリカ、コンゴ民主共和国の東部に話されるテンボ語(Tembo)の親族名称の概要を記述しています。
テンボ語はバンツー系の言語で、周辺のフンデ語(Hunde)、シ語(Shi)、ハヴ語(Havu)、ルワンダ=ルンディ語(Rwanda-Rundi)などと系統的に近い関係にあり、親族名称もこれらの言語と多くの共通点を持っています。
とはいえ、この地域のバンツー系諸語の親族名称について書かれたものは、語彙集などの付録としてついているものを別にすれば、ほとんどなく、本稿でこれを概説することは、バンツー語研究一般にとっても意味があると思っています。・・・・・・ 梶
- Volume 199705:
小森 淳子:
ヨルバ語の動詞連続
(入稿:平成9年5月。 コメントは
小森まで)
動詞連続とは、1つの文や節の中で複数の動詞が形態変化や接続詞などを伴わずに並ぶ現象を指します。 動詞連続が 見られるのは孤立語タイプの言語が多く、動詞連続はその言語の文法構造にとって中心的な役割を果たしています。ここではヨルバ語の動詞連続の特徴を明らかにするために、特に動詞の意味的特徴に基づく分析を試みます。
- Volume 199707:
Ratcliffe, R.:
Analogy in Semitic Non-concatenative Morphology
(Paper presented in July 1997: Mail to:
Ratcliffe, R.)
Analogy has always been something of an embarrassment for
linguistic theory. In the Neogrammarian model analogic change had
to be admitted in order to account for the most glaring exceptions
to the hypothesis of regular sound change (and hence in order to
maintain the hypothesis at all).
- Volume 199806:
神谷 俊郎:
政治的単位としての「コーサ」---言語が創り出す「民族」の枠組み
(入稿:平成10年6月。コメントは神谷まで)
何かしら「民族」という言葉は心地よく響く。「民族音楽」「民族衣装」「民族料理」そして「民族言語」。この「ミンゾク」とやらは、90年代初頭の、あの「民族の時代」には、さも人間のnatural stateであるかのような扱いを受けていた。
ここでは、南アフリカの「コーサ民族」の成立過程を追うことで、「民族」がいかにアヤシゲな存在であるかということを明らかにしたものである。
- Volume 200003:
塩田 勝彦:
ヨルバ語名詞類の分類と機能
(入稿:平成12年3月。コメントは塩田まで)
本稿は,ヨルバ語における名詞の振る舞いを,形態論上および統語論上から全体的
に記述することを目的とする。まずヨルバ語における名詞の定義を行い,意味論的観
点から分類し,それぞれの機能を説明する。次に名詞化の多様な方法を記述し,最後
に名詞句/節の構造と,修飾要素の記述を行う。
- Volume 200104:
塩田勝彦・中村博一:
ハウサ語辞書電子化覚書:歴史的経緯および日本語非使用者のための予備的マニュアル
(入稿:平成13年4月。コメントは塩田か中村まで)
アフロアジア語族チャド語グループに属するハウサ語は、広く西アフリカで通用する言語である。幸いにしてハウサ語辞書の電子化は80年代後半東京外大AA研電算室における辞書編纂プロジェクトの一環として実現している。その後パソコンの性能の向上にともない、国内で普及していたPC-98シリーズのMS-DOS上で検索できるよう、松下はこの電子辞書を発展させた。これにより、パソコンのハードディスクで作動させることができ、一般への普及の条件は整った。
他方、ナイジェリアでは、電話事情が悪く電力供給が不安定で、インターネットによるウェブ版辞書は実際問題として使えない。すでに過去のものとなったPC-98シリーズという難点はあるものの、ハウサ語電子辞書には大きなメリットがある。
- Volume 200203:
Ethelbert E. Kari:
Mutilingualism in Nigeria: The Example of Rivers
(入稿:平成15年6月)
In what follows, I present a sketch of the linguistic situation in Nigeria, especially in Rivers State. The linguistic situation in Rivers State is particularly interesting given that no less than twenty indigenous languages are spoken in the State, and that no less than ten ethnic groups are represented in the State. The paper is organized into four sections. Section 1 gives an overview of the linguistic situation in Nigeria; section 2 takes a look at the linguistic situation in Rivers State; section 3 examines multilingualism and language policy in Nigeria, while section 4 is the conclusion.
書評
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平成11年8月吉日
お小言は、
harukos@aa.tufs.ac.jp
または
tkamiya@aa.tufs.ac.jp
まで
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