言語研修修了生の参加報告 「言語研修、その後 No.3」

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「言語研修を受けて」

藤田由紀
(2007年言語研修「マレー語」修了)

マレーシアという国は、何度か観光してみたことがあったので、英語がある程度通じることはわかっていました。特に、観光客を相手に 商売をしている人は英語でも問題ないのですが、少しはずれたところにある地元の人向けのショッピングセンターをまわると、英語を使うや いなや、「わかる人を連れてくるね」と言われます。それではと、試しに本で覚えたマレーシア語を使ってみると、相手はニヤリ。 「マレーシア語がわかるのか!」と言われ、急に接近した思いがします。

しかし、もう少しいろいろ言ってみようと、旅行中に小さなマレーシア語の辞書を買ってその辺にある看板の文字を調べてみると、 なぜかなかなか出てこない。文字はアルファベットなのに、「なぜ辞書一つ使えないのかしら?」と疑問だけを残し、帰国の途について おりました。

ある時、どうしてもそのニヤリをもう一度見たくて、日本で教えてくれるところはないのかとインターネットで検索をかけると、 待ってましたとばかりに「言語研修」という文字がひっかかってきました。

会話だけではなく、どうやら文法も教えてくれるらしい。しかし、やったことがないのに、大学などで教えてもらえるのだろうかと 不安を感じているところへ、初心者対象の文字。私にとっては願ってもない内容でしたので、不合格通知の来ないよう祈りながら申し込み ました。

受講の許可は出たものの、通い出したら、本当に毎日解説を聞いて、問題を解いて、発音を聞いたり話してみたり。初心者の私でも 理解できるレベルから段階を踏んで進んでいくのですが、その内容の濃さに、一人でやっていたらきっとくじけたに違いないと思うことしきり。 とはいえ、いつの間にか戦友のようになったクラスメートと、先生の素晴らしい指導と、それを補佐するネィティブの先生のチームワークにより 、途中で投げ出したりせず、しかも楽しみながらゴールまでたどり着いたことは、自分にちょっとだけ自信をもたらしました。

研修が終わってからほどなくして、マレーシアに行ってみました。看板読めるよ…と、もうそこからして、マレーシアを旅行するのが 楽しくてしようがありません。

語学が多少なりともわかると、文化や歴史など、マレーシアという国についてもだんぜん興味が湧いてきます。日本との違いや同じところ、 比べてみるにつれ自分の考えが深まり、いろいろな角度から物事を見ることができるようになったのは、一つの国を言葉という面から、 きっちりと体系立てて教えて頂いたからだと、学習の機会を与えて下さった言語研修に感謝しています。

マレーシア旅行中も、英語が通じる場面でわざわざマレーシア語を使ってみると、あのニヤリに遭遇します。それはそれでうれしいのですが、 今度は困ったことに、その呪文のように覚えたフレーズを言うと、その速さで答えが返ってきてしまい、うまく応じられずという、今までとは 一つ進んだ悩みが生まれてきました。さすがに会話をはずませるほどの語学力はなく、単語力もヒアリングもまだまだ。しかし、またあの ニヤリに遭遇したくて、いまだにマレーシア語と格闘する日々を送っています。

人生を豊かにしてくれた、マレーシア語、ありがとう。



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