言語研修修了生の参加報告 「言語研修、その後 No.2」

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「2007年度マレー語言語研修に参加して」

東京外国語大学 アジア・アフリカ言語文化研究所
福島康博
(2007年言語研修「マレー語」修了)

私は、2007年度に実施されたマレー語の言語研修に参加させていただいた。そもそも私は、マレーシアを主な調査対象地とする研究者であり、 マレーシアでの留学経験もあるのだが、現地滞在時には、ほとんど英語でコミュニケーションを取っていた。そのため、留学前にマレー語に近い インドネシア語を多少は学んでおいたものの、現地でマレー語を身につけることなく留学を終えてしまった。そういう経緯もあり、「ちゃんと マレー語を勉強したい」という欲求を常に抱え込んでいた。

この「ちゃんとマレー語を勉強したい」という希望を叶えるのは、実は案外と難しい。というのも、日本国内では、インドネシア語に比べ マレー語の学習機会は非常に少ないのである。それゆえ、言語研修でマレー語が学べると知ったとき、私はすぐに申し込んだのだが、実は私と 同じ想いを抱いていた方が全国各地におられ、クラスメイトの中には、新幹線で長距離通学された方、研修期間中マンスリーマンションを借り たり、東京在住の兄弟宅に転がり込んだりした方もいた。マレー語学習にかける想いは、皆同じであった。

研修は、8月6日から9月7日にかけて本郷サテライトにて行われた。この夏は猛暑で、御茶ノ水駅から外堀通りにかけての道すがらの 照り返しとセミの鳴き声がすさまじく、また台風接近によって授業が中止になったこともあり、決して楽なものではなかった。しかし、 「勉強したい」という気持ちと、楽しくわかりやすい授業運営を心がけてくれた先生方、文化講演の講師の方々のおかげで、クラスメイトが 一人も欠けることなく、研修を終えることができた。

1ヶ月間、125時間という長いようで短い研修であった。もちろん、125時間の学習だけでマレー語が完璧にマスターできるというわけではない。 その後の不断の努力は、受講者各人に負うところが大である。しかしながら、研修終了後も先生が定期的にメールにてテストと添削を行って くださり、また今でも有志を中心にした定期的な勉強会が続いている。こうした座学だけでなく、年数回開催される飲み会では、互い マレーシアを訪れた際の体験談を語りあったり、「こういう場面でこんなマレー語表現が通じた」との経験を披露しあったりもしている。

もともとマレーシアが好きでマレー語を学びたい者が集まった言語研修ゆえ、話題も人間関係もついえるところがない。私も、この研修を 通じて学んだことを、マレーシアで実践している。現地の言葉で現地の人たちとコミュニケーションが取れ、「ちゃんとマレー語を勉強して よかった」と思える瞬間が、とても心地よく感じられている。



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