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■古ロロ文字 (消滅?)・規範彝文 (存続) /ロロ(彝) 語


▲展示パネル
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 ロロ文字、あるいは彝文字と呼ばれる文字は、漢字系でもインド系でもない独特の文字です。四川省を中心に居住し、チベット・ビルマ系の言語を話す彝族が用いる文字です。一見トンパ文字風の象形文字にもみえる文字もありますが、純然たる表音文字です。
 彝族は古くから彝文字・彝文と呼ばれる固有の文字を使用していました。一説では唐代にはじまり、元末明初に集大成されたといわれます。現在残る資料は、だいたい紙に書かれた写本です。縦書き・横書きが並存しました。個々の文字についていうと、象形性に富む文字も、そこから派生した文字もありますが、トンパ文字などと比べるとシンプルで画数が少ないようです。各地の彝族によって異体字があり、文字体系は長く未整理のままでした。
 1976年以降、四川省の彝族は自らの彝文から819字を選び出し、「規範彝文」として整理し使用しはじめました。このとき全ての文字が表音節文字となり、読み方も統一されました。平仮名や片仮名と比べると、表音節文字に 819字は多いように思えますが、3つの異なる声調をもつ、ある1音節に対して、全く違う字形が用意されているためです。


▲「規範彝文一覧」819字に規範化されたロロ文字 クリックで拡大します