
▲展示パネル
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1443年に作られたハングルは、朝鮮語だけでなく、一種の外来語である
朝鮮漢字音や近隣言語の音も表わせる表音文字です。
お経の真言・陀羅尼(サンスクリット語の呪文)は、古くから朝鮮に伝えられていましたが、たとえば『真言集』(1569年)にはハングル・漢字・梵字が併記されています。
現在のハングルは、創製当時のハングルとは少し違っています。昔は使われていたけれども今では使われていない文字があったり、かたちが変わったものもあります。例えば「・」という、今は利用されていない文字があります。円形で「天」を象徴しており、「−」(地を象徴)、「|」(人を象徴)と並んで母音の基本字を成していました。 他の母音字は、もともとこれら3字が組みあわさってできたものです。例えば、「┴」 、「├」 などで、「・」は多くの場合直線で書きあらわされています。子音では、「△」などが現代では使われなくなっています。
またハングルができた頃は、音調を表わす記号(傍点)も使用されており、それによって1つ1つの音節が、低い音調(点がないことで表わされる)・高い音調(1点であらわされる)・上昇調(2点で表わされる)であることが区別されていました。
ちなみに現代韓国の新聞・雑誌・本などでは、基本的にほとんど漢字は用いられていません。ハングルのみか、ときどきハングルに相当する漢字を( )に入れて表わすだけです。ただし韓国語の中に占める漢字語の割合は非常に高く、漢字語の同音異義語も多いため、漢字がないとやはり苦労することも多いようです。
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▲『真言集』(部分) |
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