AA研トップ > スタッフ > 特任研究員・研究機関研究員 > 大島 一
文字の大きさ : [大きく] [標準] [小さく]

大島 一

研究機関研究員,博士(社会学)

東京外国語大学
アジア・アフリカ言語文化研究所
〒183-8534 東京都府中市朝日町 3-11-1

Email: hoshima[at]aa.tufs.ac.jp

個人ウェブサイト:

研究テーマ:ハンガリー語学,社会言語学


ハンガリー語を中心に,中東欧の諸言語の言語接触の研究をしています

中央ヨーロッパに位置するハンガリーで話されているハンガリー語は,その周囲のインド・ヨーロッパ語族とは異なるウラル語族フィン・ウゴル語派に属しています。そのことからか,言語的特徴は近隣のヨーロッパの言語とは異なる,どこかアジア的な印象を持つもので,いわば,ヨーロッパの中のアジア的な言語と言っても良いかもしれません。
これまでハンガリー語の文法,特にテンスやアスペクト表現を中心に研究してきました。ハンガリー語のアスペクト表現には動詞接頭辞が大きな役割を果たしますが,これは見た目にはドイツ語の分離動詞の前綴りと似ています。しかし,これはドイツ語からのものではなく,フィン・ウゴル時代からの遺産と言われています。
このように,地理的にはヨーロッパに位置するハンガリー語はその内部に多くの非ヨーロッパ的要素を秘めています。この言語と周囲の諸言語との言語接触の結果を探っていきたいと考えています。

最近取り組んでいること:

2006年頃からオーストリア共和国ブルゲンラント州のハンガリー人コミュニティで調査を行なっています。この地のハンガリー語話者はドイツ語とハンガリー語の二言語使用状況下ですが,ドイツ語に乗り換える者が多く,いずれハンガリー語話者はいなくなるだろうと言われています。彼らの話すハンガリー語は文法的に標準ハンガリー語と異なるものが見られ,興味深い“地域方言”です。この記録保存に貢献したいと考えています。


研究プロジェクト:


特任研究員・研究機関研究員ページに戻る


Copyright © 2010 Research Institute for Languages and Cultures of Asia and Africa. All Rights Reserved.