特任研究員
東京外国語大学
アジア・アフリカ言語文化研究所
〒183-8534 東京都府中市朝日町 3-11-1
Email: mmorita[at]aa.tufs.ac.jp
個人ウェブサイト: https://researchmap.jp/madoka_morita
研究テーマ:オスマン帝国,都市社会史
宗教・民族・社会的に多様な住民を内包したオスマン帝都イスタンブルにおいて,人々は日常的にどのように繋がり,また,様々な政治的・社会的情勢の下で人々の繋がり方は歴史的にどのように変遷したのだろうか。この問いに対する鍵として,宗教・宗派別に形成された住民共同体であり,都市行政の末端組織として機能したと理解されている街区(マハッレ)に注目してきました。長期にわたる現地イスタンブル滞在中に収集したオスマン文書史料の分析から,しばしばその歴史性が等閑視される街区の共同性や社会的役割・行政的機能について研究しています。帝国統治が社会集団の媒介を前提としていた前近代において,街区は統治基盤を支える重要な要素であり,街区のあり方を歴史的に考察することは,オスマン帝国の統治構造や国家・社会関係についての理解の深化につながると考えています。
このような問題関心から,トルコ共和国樹立後の抜本的な市政改革による街区共同体の解体までを視野に入れつつ,研究機関研究員として,主に二つの課題に取り組みたいと考えています。一つ目は,2021 年3 月に東京大学大学院人文社会系研究科に提出した博士論文 “Neighborhoods of Ottoman Istanbul: Politics of Order and Urban Collectivity, 1703‒54” を単著として発表することです。上記から得られた知見をもとに,二つ目の課題は,18 世紀後半から19 世紀にかけての地縁的・宗教的結合関係の展開を追うことです。
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