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小林 美紀

【AA研究在任期間】2017年04月 〜 2017年09月

特任研究員,博士(文学)

東京外国語大学
アジア・アフリカ言語文化研究所
〒183-8534 東京都府中市朝日町 3-11-1

Email: kobayashim[at]aa.tufs.ac.jp

個人ウェブサイト:

研究テーマ:アイヌ語,形態論


アイヌ語の動詞を中心に,アイヌ語の文法について研究しています

アイヌ語動詞のなかには複雑な構造を持つものがあります。例えば,アイヌの口承文芸には,大変な出来事を乗り越えた後に,主人公には子どもがたくさんでき,何不自由なく年をとったという描写がよく出てきます。そんなときに,ukoposiresikte「互いの間に子どもがたくさんできる」という動詞が出てきます。これはu-ko-po-sir-e-sik-te[互い-~と-子-あたり-~で-満ちる-~させる]のように,合計で7つの要素から出来ている動詞と考えることができます。このなかのsik「満ちる」は動詞の基本的な形で,これだけでも動詞として使われますが,ukoposiresikteはそれに様々な要素が付いて1つの動詞になっているのです。このように複雑な構造を持つアイヌ語動詞について,各要素や動詞基本形の結びつきにはどのような規則性があるのかを中心に研究しています。

最近取り組んでいること:

現在公開されているアイヌ語の資料は口承文芸が多くを占めています。そのため,これまでは口承文芸の言葉を中心に,動詞の分析を進めてきました。これからは日常語に出てくる動詞の分析を進め,口承文芸中の動詞との比較をしてみたいと考えています。日常語と口承文芸中では動詞の構造の複雑さなどに違いが現れるのかに興味があります。


研究プロジェクト:


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