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太田(塚田)絵里奈

特任助教(科学研究費 学術変革領域研究(A) 「イスラーム的コネクティビティにみる信頼構築:世界の分断をのりこえる戦略知の創造」総括班)

東京外国語大学
アジア・アフリカ言語文化研究所
〒183-8534 東京都府中市朝日町3-11-1

Email: e.otatsukada[at]aa.tufs.ac.jp

個人ウェブサイト:

研究テーマ:前近代アラブ史・文民エリート研究


「生き残ることへの欲求」という普遍的テーマを描き出せるような歴史研究が目標です。

 人はいかに生を求め,抗うか―前近代アラブ・文民エリートの生存戦略研究

 厳しい時代環境のなかで人はいかに生を求めて抗い,生き延びようとしているのか―私はこれまで後期マムルーク朝(1382~1512年)を中心に,行政に携わる諸職就任者の生存戦略の解明を最終的な目標に定め,プロソポグラフィーに基づくアラブ系文民エリートの事例研究を行なってきました。
 外圧やペスト禍によって国家財政が窮乏するなか,権力闘争や財産没収の危機に絶えず晒されていた彼らは,失脚の可能性を含みつつ,将来的な再登用のため,人的ネクサスを通じた生存戦略の構築を模索しました。現在はプロソポグラフィーを通じ,パトロネージ,婚姻,執り成しなどのテーマから,複層的かつ水平的な関係性の解明に取り組んでいます。
 有史以来人間が絶えることなく受け継いできた「生き残ることへの欲求とそのための知恵」を描き出せるような歴史研究を目指しています。

最近取り組んでいること:
  デジタル・プロソポグラフィーの方法論確立に向けて

 マムルーク朝期に記された浩瀚な年代記や名士伝記集の多くは校訂され,刊本として利用可能な状態となっています。他方,紙媒体史料の精読という従来の手法では,有力者個人や一家系に特化した研究は可能でも,そこから導き出された結論が固有の事象なのか,文民エリート全般に適用できる原理や時代的特性なのかを判別することは容易ではありません。
 このような問題を,人文情報学的手法によって解決できるのではないかと考え,現在はデジタルテキストのコンピューター解析に向けた方法論を検討しています。また,テキストエンコーディングを用いた同時代のヨーロッパ諸語史料との接合も視野に入れています。



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