アジア・アフリカ言語文化研究所所蔵
A01
エモニエ『フランス語カンボジア語辞典』
クメール文字
E. Aymonier: Dictionnaire Francais Cambodgien, Saigon:Imprimerie Nationale, 1874.
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エモニエ(1844-1929)による、最初のフランス語・カンボジア語辞典。

エモニエは、フランス、サヴォア生まれの軍人、カンボジア、チャム学者。1869年に陸軍少尉として仏領インドシナに配属され、現地の言語、歴史等の研究に興味をもちました。サイゴンの行政官試補学校でクメール語(カンボジア語)を教え、1878年、同校校長となりました。

エモニエはインドシナのクメール学、チャム学の先駆的存在で、この辞典のほか、「クメール語・フランス語辞典」(1878)及びカバトン(A.Cabaton)との共編による「チャム語・フランス語辞典」(1906)を作りました。チャム語というのは、カンボジアとベトナムに住むチャム人の話す言葉です。カンボジア在任中には、各地を視察し、自ら碑文に取り組み、初めて年代の解読に成功していました。1881年の一時帰休の際に、本国にサンスクリット語碑文の拓本を持ち帰り、フランスのアジア協会の学者の関心を集めました。

(峰岸 真琴)