ダニエル・エルナンデス-サラサール写真集
『グアテマラ ある天使の記憶』
中米の小国グアテマラでは、1960年から30年以上も内戦が続き、その[終結]後も民衆を圧迫する状態が続いているという。政府軍に殺された人々の遺骨発掘で、一対の肩こう骨が見つかった。写真家はそれを天使の羽根にみたて、民衆の抵抗の象徴であるような作品を作った。四枚の組写真によるものでそれぞれ口と目と耳を封じた天使の写真三枚、そして沈黙を破って声を張り上げる天使(写真の左)である。
本書は、グアテマラ各地の塀や壁に張られた作品の写真を集めている。訳・解説は飯島みどり。作家の徐京植(ソ・キョンシク)がメッセージを寄せいている。(影書房・1575円) |