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2010(平成22)年度 教育セミナー報告

西園 知宜(早稲田大学大学院社会科学研究科)

 2009年度の東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所の教育セミナーに初めて発表せずに、受講だけで参加させていただきましたが、発表された受講生に触発され、2010年度のセミナーに再度参加し発表を行いました。今回のセミナーでは修士論文のテーマであるパレスチナ・ナショナリズムを取り上げ、おもに世俗的なイデオロギーであるナショナリズムと宗教の関係、そしてイスラームとナショナリズムの相互作用、またアラブ地域におけるナショナリズムの浸透過程などを含めて、パレスチナにおけるナショナリズムを理解する上で必要不可欠な諸概念を分析した上で、研究テーマを分析するために今後扱う事例や方向性を発表した。また自分が研究を進めていく中で悩み続けてきた問題点もぶつけました。それに対して、先生方からわかりやすい、そしてダイレクトなコメント、批判、アドバイスをいただき、自分の研究進めていく上で注意すべき問題や有効な視点を教えていただいただけではなく、現在の自分の視野の狭さや無謀さを思い知らされました。2009年度に単なる受講生として参加したセミナーで得たもの(中東・イスラーム研究の範囲の広さに対する認識、他の受講生の研究方法など)と2010年度のセミナーで得たもの(自分の研究テーマに対する様々なアドバイスなど)が今後研究を進めていく上で大きなヒントになると思います。これに加え自分の発表だけではなく、クウェイトの国民統合をはじめとして、アル=アクサー・インティファーダ、中国の回教、イラクの1920年暴動を取り扱った受講生の発表を聞き、各テーマに関する知識を身につけると同時に、各発表生の研究方法をも参考にすることができ大変勉強になりました。中でもイラクの1920年暴動をテーマとした研究は、他では出会うことが難しい同じ方向性を持つ自分の研究にとって非常に良い参考となりました。受講生の発表の他に、先生方のレクチャーも今後研究をする上でヒントを与えてくれるものでありました。とくに錦田先生の「パレスチナ研究をめぐる可能性――研究の帯びる政治性と意義の位置付け」では、パレスチナ研究をする際に生じる政治性の問題や、その研究にかかわるが故の難しさなどを示し、自分にとっては目からうろこのレクチャーであったと同時に、それを自身の研究姿勢にあてはめた時の反省を促されたものでありました。

 この4日間のセミナーを通して他では得られないような収穫を手に入れることができ、これを今後の研究の糧としていきたいと思います。最後に、セミナー最終日の飲み会では、自分の発表後にすっかり自信をなくした私に様々なアドバイスをしてくださった飯塚先生や黒木先生、他の先生方本当にありがとうございました。とくに黒木先生からの励ましの言葉のおかげでこれからも研究を続けていこうと決心することができ、いつか先生方に恩返しできるよう頑張っていきたいと思います。

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