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2010(平成22)年度 教育セミナー報告

増野 伊登(慶應義塾大学大学院文学研究科)

 四日間のプログラムにはたくさんの要素が詰まっていて、長いようで実は非常に短く、結果「めまぐるしかったな」というのが正直な感想です。セミナー中は次から次へと新たな出会いや出来事が待ち受けているため、終わってみて初めて、ここで得られた経験が自分にとってどういうものだったか、今後の研究にどう活かしていくのか、などということを冷静に考えられるようになりました。

 教育セミナーではAA研内外の研究者の方々やこれから研究を志そうという学生たちが一堂に会すわけですが、そういった点では学会や研究会と同じであると言えます。しかし両者と異なる点は、次世代の研究者育成を主目標として掲げているということです。顔と名前を一致させることが可能な範囲の人数が、同じメンバーで四日間の長期に亘って集中的に研究交流を行うということ。加えて、「中東☆イスラーム」と冠されたセミナー名からも分かるように、時代・地域ともに広範囲にわたる研究者や学生が参加する包括的なプログラムであるということ。以上が当セミナーの特徴であると言えます。

 時間的に余裕があることで、研究論文や学会誌上でしか知らなかった研究者の方々に直接会って今まで感じていた疑問をぶつけることも可能ですし、今後の研究方針について具体的に相談することも出来ます。教育セミナーはまさにそのために用意された絶好の機会です。私自身セミナーへの参加を通じて反省すべき点が整理され、自信を持って学位論文の執筆に臨むことが出来るようになりました。また忘れてはいけないのが、今まで自分の所属していた学会や研究会ではまず出会うことのなかった学生と知り合い、時代や地域を超えて情報を共有することが出来たということです。今回のセミナーで多くの学生の方々と知り合う機会を得ましたが、関心や分野が多少違えども彼らの研究姿勢から学ぶことはたくさんありました。私が研究報告を行った際には参加者の皆さんから想像以上に多くの助言や質問をいただき嬉しい限りでしたが、これまで自分では思いつかなかったような問題関心の在り方に驚かされました。

 ほとんど初対面の先生や学生の方々と朝から晩まで四日間のプログラムを共にするわけですから、緊張と思いがけないことの連続であって、全日程を終えて最初に感じるのはとてつもない疲労感です。それでも教育セミナーに参加する意義が十二分にあり、もう一つ別のプログラムである研究セミナーにも今後是非参加したいと思うのは、疲労感にも勝る何とも言えない達成感があったからです。たったの四日間で何かがすぐに変わるわけではありませんが、教育セミナーに参加したことは今後の自分の研究のために必要不可欠な体験であったと感じています。

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