2009（平成21）年度　教育セミナー報告

　中東・イスラーム教育セミナーでは先生方や院生の発表を拝聴し、論文などを読むだけではなかなか知ることのできない研究のプロセスについて印象に残ったものも多く、非常に貴重な機会を得たと思います。今回は7名の院生が発表し、スケジュールも過密となりました。普段なかなか知ることのできない、多様な問題関心、アプローチを知ることができました。

　自分は4日目に発表と質疑に対する応答を行いましたが、ともかく発表するだけでした。

　発表に対するコメントは手厳しいものがありましたが、指摘された部分は的を射ていてやはりその通りだと思う外ありませんでした。提示した分析枠組みについて個々の事例から検討し、その事例に対して考察することが必要、枠組みと事例のどちらを明らかにしたいのか、という点が曖昧だったということです。指摘された点は、これからの宿題としていこうと思います。参加者の方々からアドバイスや率直なコメントをいただけたこと、自分の知らなかった分野で研究をされている方の話をお聞きすることができたことは貴重でした。もちろん、他の人の発表に対する自分の知見のなさも痛感するばかりでした。

　セミナーの名称「中東・イスラーム」という範囲は、中東に限らずイスラームの普及している地域圏を指していると最初にご説明をいただきました。これからさらにセミナーが対象とする研究対象や地域が拡大し、従来の枠に当てはまらない問題関心、アプローチの方法をもった研究が増加していくことでしょう。共通の議論の土台がどこにあるのかを見出すことは難しくなるかもしれませんが、新しい発見はそれを補ってあまりあることでしょう。

　それぞれの参加者にとって自分の研究を発展させていくこと、セミナーがこれから参加される方にとって、有意義な議論の場であることを期待しています。最後になりましたが、先生方、院生の皆様、きめの細かいご配慮を頂いた事務の千葉さんに篤く御礼を申し上げます。