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2009(平成21)年度 教育セミナー報告

寺本 めぐ美(津田塾大学大学院国際関係学研究科)

 「国境を越えた人の移動」への関心から研究を始め、「中東」「イスラーム」に関する専門的な知識が不足している筆者は、議論についていくことができるのかという不安のなかセミナー初日を迎えた。しかし振り返ってみれば、大きな刺激を受け、今後の研究への活力となる有意義な4日間であった。

 「中東」「イスラーム」と一口にいっても、受講生や先生方の発表、講義は様々な分野、視点からのものであった。知識不足のために完全に理解したとは到底いえないが、関心を広げる良い機会だった。特に先生方の講義では、研究の視点やフィールドでの経験などが具体的に語られ、セミナーが「教育」を目的にしたものであるのは、筆者のような受講生には大変ありがたいものであった。発表や講義への質疑応答でも学ぶことが多かった。先生方や受講生が、自分自身の関心分野を切り口として、専門外の分野へ質問、コメントするのを見て、その難しさと、重要性を改めて感じた。

 また、似た分野に関心を持つ受講生と関心分野についての話をしたり、修士論文執筆への不安や、文献探しの苦労を共有できたことは励みとなった。さらに、昼食時等には多くの先生方と時間を共有させていただき、留学時代の経験談や、現地の様子を伺えたことも大きな収穫となった。筆者のように、学外の院生、先生方と交流する機会の乏しい院生にとっては、大変貴重な時間であった。

 偶然にも、12月の中東イスラーム研究教育プロジェクト主催のシンポジウムに、筆者の関心分野の研究者が、来日、参加される予定との情報もいただけた。また、こちらも中東イスラーム研究教育プロジェクトの企画で、現地の新聞のインターネット版記事の一部を和訳、紹介する「日本語で読む中東メディア」のサイトをお知らせいただくなど、研究を進める上で有益な情報を数多く得られたことも、大変有意義であった。

 最後になりましたが、先生方、事務局の皆様、4日間ありがとうございました。

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