Top page of the Project MEIS at TUFS
 
教育セミナー
  1. ホーム
  2. 教育セミナー
  3. 2008年度報告
  4. 役重 善洋

2008(平成20)年度 教育セミナー報告

役重 善洋(京都大学大学院人間・環境学研究科修士課程)

 本セミナーでは、発表を行った4人の受講生の一人として、「日本におけるキリスト教シオニズムの史的展開」と題してのプレゼンをさせていただきました。主観的にはパレスチナ問題への関心の延長上でこのテーマに取り組んではいるのですが、正直なところ、「中東・イスラーム」の看板にはそぐわないのではないか、場違いな発表になってしまうのではないか、という危惧を抱きながらの参加でした。しかし、実際のところは、分野が異なる研究者の方からも思いのほか丁寧なアドバイス、批判、激励、参考資料の紹介等々をいただき、私の危惧が杞憂だったことが分かりました。

 それともう一つ、私が危惧していたことは、セミナーや受講生発表の内容の多くが、自分の関心領域からずれているのではないか、ということでした。しかし、研究者の方々からのプレゼンテーションでは、研究者になるまでの苦労話やフィールドワークの裏話などが盛り込まれ、専門外の学生が聞いても十二分に興味深い趣向となっており、ここでも私の危惧はまったく杞憂であることが分かりました。むしろ、自分の関心領域外にあった分野の方の話(たとえば、アーカイヴズ学など)が新鮮で刺激的だったように思います。

 私以外の3人の受講生発表についても、いずれも非常に充実しており、その分、私の発表の未熟さが目立ってしまった感はありますが、教員の方々からのアドバイスも含め、多いに学ばせていただきました。3人とも「イスラーム」を研究テーマの中心に据えており、政治的関心からパレスチナ問題への関心を持ってきた私にとっては、テーマ的にも方法論的にも比較的馴染みの薄い内容が多かったのですが、いずれも研究対象そのものへの深い情熱を感じさせる発表で、その点においても多いに刺激を受けました。

 私にとっては、問題関心と人間関係の双方を広げることができたことが本セミナーに参加した最大の意義だったように思います。セミナー最終日、台風の影響(+私事)のため、中途で退席しなければならなくなってしまったことが残念であり、また、事務局の方にも迷惑をかけることとなり、申し訳なく思っています。最後に、セミナー運営に尽力されたスタッフの皆様方にあらためて、感謝申し上げます。

back_to_Toppage
Copyright (C) 2005-2009 Tokyo University of Foreign Studies. All Rights Reserved.