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2009(平成21)年度 研究セミナー報告【後期】

十倉 桐子(ロンドン大学東洋アフリカ研究学院大学院)

私は、現代アラブ小説についての博士論文を執筆中であり研究会ではそれに関する発表を行いました。今回、プロフェッショナルな研究者の方々からコメントを頂いたことは、私にとって、最後まで諦めずに論文を完成させようという意欲を回復するきっかけとなりました。たいへん感謝しています。博士課程の学生による研究発表会はロンドン大学でも年一回行われていましたが、このセミナーのようにアカデミック・スタッフ多数が議論に参加し発表者一人一人に丁寧なコメントをくれるという雰囲気はなかったと思います。この研究セミナーの存在については人伝に教えてもらい応募したのですが、学科にこだわらず中東・イスラームと広く間口をとってくれているのが有難いと思いました。アラブもしくは中東文学という分野で区分すると、国内では研究者の数も限られているため発表や議論の機会も少ないかのように思い込んでいました。今回の経験を通じ、中東、あるいは文学という分野での研究会情報に注意し、自分で参加の機会を作っていけばよいと思えるようになりました。

バラエティに富んでいた他の皆さまの発表は、それに関して行われるディスカッションと共に大変興味深く拝聴しました。分野は各々異なりますが、プレゼンテーションの方式、研究手法など、参考になることが多くありました。博士論文執筆を始めたばかりの人からポストドクターまで、様々な段階にいる人々が参加していたのも、互いにアドバイスし合えるという意味で有意義であると感じました。AA研スタッフだけではなく発表者の方々も実に活発に発言され、各セッションはとても充実していたと思います。私自身は、議論にまともに参加できなかったのが大きな反省点です。また、自分のプレゼンテーションにおいては準備不足を痛感しました。議論のたたき台となるべき点が明確に示されていないとの評をいただきましたが、その通りだったと思います。一人で文献を読む、あるいは論文を書いているだけでは、周囲に「如何に伝えるか」という点を見落としがちで発想の柔軟性は失われていくという事がよく分かりました。以上のように、今回の参加は私にとり、停滞しがちな自分の作業を見直し問題点を明らかにする貴重な機会となりました。セミナー・スタッフならびに参加者の皆さま、どうもありがとうございました。

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