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2009(平成21)年度 研究セミナー報告【後期】

久志本 裕子(東京外国語大学大学院博士後期課程)

 私は今回二回目の受講生としてセミナーに参加した。一回目のセミナーは研究セミナーの初回であり、先生方も参加者も初めてのセミナーにやや緊張の面持ちで参加していたように思う。前回は博士課程一年目でフィールド調査もしていなかったが、今回は、最後のセミナーに、フィールド調査も終えた5年目の学生として参加し、リピートの参加者も多く適度の緊張感と安定感のある雰囲気の中、発表も発言も以前に比べてよいもになったと思う。今回の私の発表は、理論的枠組みを論じた後でそれに沿ってフィールドデータを分析するもので、恥ずかしながらこのようなスタイルの初めての発表であった。このため、発表の目的はこの理論が説明に適しているか、適していないのであればどのように修正すべきかを学ぶことであった。このような実験的な発表を行う場、そして改善の手段を学ぶ場は、このセミナーをおいてほかには見ることができない。今回は博士論文の一部として原稿を書いた上で、パワーポイントにまとめて発表をしたが、一度自分で十分に熟考してまとまった形にしたうえで不適切な点を指摘してもらうことで、問題点を明確に把握できたと思う。一度まとめたものをもう一度作り直すのは非常に体力の必要となる作業であるが、今の時点で修正の方向性が見えてきているということは、このセミナーで先生方と受講生の方々に的確な指摘をいただいたおかげに他ならない。

 他の受講生の発表から学ぶことも非常に多かった。あらかじめそれぞれの発表者の要約を送っていただいたので、自宅で興味深く目を通したが、自分の分野と大きく離れている発表も多く、当日自分がコメントできるものがどれだけあるだろうかと不安になった。だが発表を聞いてみるとどれも興味深く、聞いているうちにいろいろな話を思い出したり、自分の研究にひきつけて刺激を受けたりと非常に充実しており、いくつか質問を挙げることもできた。しかし先生方はもちろんのこと、他の受講生の方々も多岐に渡る分野の発表に適切にコメントを述べる様子が見られたのに対し、私は自分の興味の範囲内でしか発言もできず、改めて自分の視野の狭さを思い知ることとなった。博士論文の研究に夢中になるのみではなく、さまざまな刺激を受けることが必要だと改めて感じた。現在海外調査中のため、ほかの地域や分野の研究に触れる機会に乏しいことを言い訳にしているが、博士論文をまとめることを第一にしつつも、自由な時間を使える今のうちにこそ広くほかの分野の研究についても見聞を広めておきたいと思う。このように今回のセミナーへの参加は、自分の博士論文についても、研究者としての態度についても学ぶところが多く、再度参加して本当によかったと思う。こうした貴重な機会をくださった先生方、受講者の方々に感謝するとともに、同様のセミナーをぜひ継続していただきたいと心から願っている。

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