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2009(平成21)年度 研究セミナー報告【前期】

爲永 憲司(慶應義塾大学大学院文学研究科史学専攻後期博士課程)

 この度中東・イスラーム研究セミナーに参加させていただいたことは、自分の研究に関する数多くの問題点と課題を自覚することができた点において、非常に有意義であり、今後の研究生活に向けての大きな励みとなるものでした。

 私は近代イランの「読書室」の歴史的展開について発表しましたが、先行研究や史料に限りのあるテーマであったため、不安を抱えて臨みました。拙い発表だったにもかかわらず、スタッフの先生方や他の3名の方々から有益なご批判とご助言をいただけたことに深く感謝しています。主要史料として新聞広告だけに頼った発表であったため、かなり独善性、偏向性に満ちた内容になってしまい、かつ、結論がきわめて一般的なものに終わってしまった点は大きな問題でした。もう一度先行研究やその他の史料を広く渉猟する必要性を痛感させられましたが、特に、先行研究として「読書室」に深い関係を有する図書館学関係の文献にあたる必要があるという指摘は貴重なものでした。また、最大の問題点として、時代や地域、ディスィプリンの異なる他の発表者の方に対して、自分の研究の意義やオリジナリティを十分に説明できなかった点を深く反省しました。今後はより大きな枠組の中で自分の研究を見つめ直し、学問的に意義のある研究になるよう努力したいと思いました。

 他の発表者の方々による発表を聞かせていただいたことは、自分の研究手法や発表方法を考え直すにあたっても大変有意義でしたが、同時に、私自身が討論に積極的に参加できなかった点、反省することしきりでした。また、斎藤先生の博士論文執筆までの経緯に関するお話は、博士論文について漠然とした考えしか持っていなかった私にとって大変意義深いものでした。やはり、目標としての博士論文執筆ということを明確に意識し、今後の限りある時間を有効に使っていくために、今から構想を練り、その達成のために自覚的な研究生活を送らなければならないということをあらためて考えた次第です。

 今後すぐに留学を控えておりますので、貴重な時間を無駄にすることのないように気を引き締めて、上記の課題を一つずつ克服していきたく思っています。最後にこの場をお借りして、発表を熱心に聞いてくださり、励ましてくださったスタッフの先生方と参加者の方々に対し再度感謝申し上げます。ありがとうございました。

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