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2009(平成21)年度 研究セミナー報告【前期】

野中 葉(慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科後期博士課程)

 本セミナーの内容について、以前AA研に所属されていた先輩から話を聞いていたこともあり、いつか受講してみたいという気持ちは持っていたものの、第一線で活躍されている諸研究者の方々の前で、自らの拙い研究報告をする踏ん切りが付かず、これまでは、なかなかエントリーに至らなかった。また、イスラーム運動を研究しているものの、フィールドはインドネシアであり、「中東・イスラーム」と名の付く本セミナーに対しては、“他流試合に挑む”的な印象があったことも否めない。

 しかし、実際に参加してみると、こうした事前の不安は全くの取り越し苦労だった。約1時間の拙い報告の後の質疑応答では、ほぼ全ての参加者の方々から、時間いっぱいになるまで有意義なコメントを頂くことが出来た。博士課程4年目に入り、現地調査を一通り終了した段階での報告となったが、博士論文の執筆に向けて、様々な角度からのアドバイスは大変に有難いものであった。これまでは、現地調査に重点を置いてきたこともあり、フィールドに漬かりすぎて疎かにしてきていた論文の構成や、他地域との比較の視点、大きな枠組みで捉えた時の研究の意義など、鋭く的確に指摘いただき、具体的な改善点までも示唆していただけたことは、予想をはるかに超える収穫であった。

 昼の時間の、いわゆる公式のセミナーの時間と共に特徴的かつ特筆すべきは、夜の食事会が毎晩開催され、お忙しい時間を割いて、多くの方々が参加されることである。ここは、研究のアドバイスやご自身の研究についてなど、食事や飲み物を前にしながら非公式に話していただける場であった。昼間のセミナーでのアドバイスの補足をいただき、打ち解けた雰囲気の中で、私から諸先輩方に、質問をさせていただくこともできた。結局、3日間とも“夜の部”にも参加をし、沢山の方々と話をし、意見をいただけたことは、とても有意義で、かつ今後の研究に役立つものであった。

 本セミナーは、今年度で当初予定していた5年の期間を終えるということであるが、実際には、同じ内容を継続して来年度以降も実施していくとの話が聞けた。私のように、普段から学外の研究者の方々と交流したり、議論を重ねたりする機会の乏しい院生にとっては、非常に貴重な機会であるだけに、セミナーの継続は非常に嬉しいことである。同様の悩みを抱える後輩たちにも、参加を推奨していきたいと思っている。

 最後に、セミナーを主催してくださった諸スタッフの皆様に感謝し、感想を終えたいと思う。どうもありがとうございました。

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