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2008(平成20)年度 研究セミナー報告【後期】

新井春美(拓殖大学大学院国際協力学研究科博士後期課程)

 以前、中東・イスラーム教育セミナーに参加した経験から、次は研究セミナーに参加しようと思っていた。教育セミナーでは発表者に対し、講師の先生方、出席者からの厳しくも暖かく、論文執筆につながる有益な指摘、アドバイスがなされ、聴講だけではもったいなかったと後悔していた。

 このように思う反面、受講生の発表が中心となる研究セミナーで、およそ1時間のプレゼンを行うには、論文執筆が遅滞し、発表の経験もない私には時期尚早かとも思い、躊躇していた。

 しかし自分だけで研究を進めるには限界を感じ、閉塞状況を打破したいという気持ちから、締め切り当日に書類を持参した。参加決定のお知らせをいただいても、本当に大丈夫なのだろうかと、かなりうろたえていた。

 今回の参加者は6名で、タイ、マレーシア、トルコ、レバノンと対象地域も時代も多様であった。「国家」単位で事象をとらえることが常になっている私にとっては、「村」や「コミュニティ」を考察すること自体が新鮮だった。経済政策に見るイスラームとナショナリズムの関係、政治エリートとは何か、新知識人の登場・動向といったテーマはあらためて、中東・イスラームのおもしろさや奥深さを確信すると同時に、研究対象として選んだことは、間違いなかったと思った。

 発表では読み飛ばしてしまったり、予定時刻よりも早く終了してしまったり、また講師からの質問に回答できず、散々な内容だった。しかし数々の指摘・アドバイスは、これから研究を進めていくうえで、非常に大きな手がかりとなった。見落としていた点、不足な点など、さまざまな角度・視野からご指摘いただいた。自分のことで手一杯でほかの受講生の内容を予習する余裕もなく、発表を集中して聞くことができなかったことは申し訳なかったと思う。

 所属する大学院では中東やイスラームを対象とした研究者が少なく(もともと研究とは孤独な作業だが)孤独であり、今回のようにフィールドやアプローチが違えども、中東・イスラーム「研究者」として参加できたことは、とても大きな励みとなった。

 また懇親会も、これまでの受講生が述べているようにこのセミナーの大きな魅力のひとつといえる。このおもしろさは実際に参加して味わっていただきたい。

 最後になったが、スタッフの先生方、事務局、受講生の皆様に感謝いたしたい。ありがとうございました。

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