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2008(平成20)年度 研究セミナー報告【前期】

上野雅由樹(東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻博士課程)

 これから取り組む博士論文に、なんらかの糸口をつかむことができれば、という思いから、中東・イスラーム研究セミナーに参加させていただきました。このセミナーに関しては、以前に参加した先輩方から情報を得ていたこともあり、いずれは参加したいと考えていました。しかし、10名以上の専門家の先生方の前で、発表と質疑応答のそれぞれに一時間が与えられるという貴重な機会であるだけに、もっと準備が進んだ段階で発表するべきではないのか、という点で応募する前は迷っていました。もう一度参加することも可能であるという情報を事前に得ることができたことで、応募に踏み切ることができました。

 実際に発表してみて浮かび上がった大きな問題点は、今回の発表が博士論文全体においてどのような意味を持つのかを十分に説明することができなかったこと、オスマン帝国史以外の分野を研究している方々に説明しなければならないことを説明せずに発表を進めてしまったこと、の2つであったと思われます。これらはどちらもなるべく早い段階で発覚した方がよいものであると考えられ、そのため、今回早い段階でセミナーに参加したことは、私個人にとっては非常に有益でした。また具体的な内容面に関して今回得ることができた多くの助言を、今後の軌道修正にいかしていきたいと思います。

 最初の発表者であったこともあり、自分の役目を終わらせた後は他の受講者の発表や懇親会を「楽しむ」ことができる立場にあったはずでした。しかし実際には発表後も、自分の研究のことで頭がいっぱいになってしまい、あまり積極的になることができなかったことが悔やまれます。自分の研究に専念していると、どうしても内向的になり、独りよがりになってしまいがちなのですが、自分の研究においても、それ以外の部分でも、他の人たちとのコミュニケーションの中で形作られていくものの重要性を実感させられました。今年の1月末までトルコとアルメニアで2年以上に渡って調査を続ける中で、日本で中東研究を行う上での不利な点ばかり目についてしまっていたのですが、人材こそ日本が有する最大の利点なのではないかと思わされました。

 英語を専攻していたということもあり、外国語学部在学中は全く縁がなかった研究所の先生方と、卒業から6年以上が経過した後に、このような形で交流を持つことができたのは非常に喜ばしく、先生方の研究に対する愛を感じさせられる3日間でした。本当にありがとうございました。

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