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活動記録(AA研班)>新聞掲載記事>信濃毎日新聞
『信濃毎日新聞』2006(H18)年3月22日(水)より転載
*共同通信配信
無断転載禁止
信濃毎日新聞紙面
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時の顔: 黒木英充さん
レバノン政府の認可を受けベイルートに中東研究拠点を開設

 
 
   充実した図書室に宿泊施設―。ドイツやフランスが中東各地に置く研究所は日本の中東研究者があこがれる存在だ。それに一歩でも近づこうと、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所はレバノンの首都ベイルートに「中東研究日本センター」を開設した。

  同大教授として現地政府の設置認可を受けた日本初の拠点を実現すべく奔走。閣議を通るまで気をもみ続けた。「中東の政府を相手に交渉するのはなかなか大変でした」

  「ただ関係省庁の幹部たちは、もろ手を挙げて設置に賛成してくれた。最初に言われたのは『よくレバノンを選んでくれた。それに感謝する』ということでした」

  ベイルートは古くから中東文化の中心。1975年に内戦が始まるまで同国の知的水準の高さは際だっていた。内戦が終わり復興が進む中、昨年の元首相の暗殺で「再び暗黒時代に戻るのか」という不安が広がった。

  「日本の研究センターができることで、自分たちはまだ知的、文化的なところでも世界から応援されているという自己確認になったのでしょう」

  アラブ諸国では最近、親日感情が崩れかけている。「自衛隊のイラク派遣に幻滅したという人もいる。しかし『貯金』はまだ少し残っている」。レバノン人研究者も含めた運営体制による「開かれたセンター」が夢だ。

  センター長だが、当面は行ったり来たりの生活。「学生時代は行きたくても行けなかった。せめて半年ぐらいは腰をすえたいですね」と語る四十四歳。東京都出身。
 
 
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