中東研究の拠点づくりを東京外語大アジア・アフリカ言語文化研究所(東京都府中市)がレバノンの首都ベイルートで進めている。既に同市中心部に事務所を確保、研究機関として活動できるよう同国の内務省に近く認可申請する。
中東に日本の研究拠点ができるのは初めて。黒木英充・東京外語大教授は「レバノンの政府や大学からは好意的に受け止められている。欧米やアラブ諸国も巻き込み国際的活動を展開したい」と話している。
ベイルートは古くから中東地域の学術と文化の中心。同地域最高のベイルート・アメリカン大があり、出版や新聞も高水準にあったことから、フランスとドイツが歴史や考古学の研究所を設置。
一九七五年の内戦開始でこうした伝統が中断したが、九〇年に内戦が終わった後は、急速に復興を遂げ、フランス、ドイツの研究所も再開した。
開設されるのは「日本中東研究センター」。ビジネス街のビルに約百十平方メートルの部屋を借り、三十−四十人程度の研究会議ができる設備を整えた。