インドネシア語新聞翻訳
2011年2月25日(金)
【レプブリカ紙】


インターネット上で知恵をシェアする

 インターネット上の世界はいろいろな可能性を秘めている。知識をシェアすることも、アドバイスのメッセージを発することもできる。したがって、そのためにインタネット上の世界を利用する人々が現れてくる。彼らはブログやウエブサイトのページを開設する。日々の善行やジルバッブ(訳注1)に関するブログからイスラームに関する話を載せたブログまで。

 アンディカ・ヘンドゥラ・ムスタキム氏(27)は、イスラームに関する自分の文章を載せるためにブログを開設した一人だ。彼は2005年にブログを始めた。その当時、ブログは確かにブームの最中だった。当初彼は、ブログを日記のように自分の気持ちを述べる道具と見なしていた。しかし、最終的に彼は、ブログをもっとシリアスなことに利用するようになった。

 「僕はブログにイスラームに関する記事をしばしば書いている」と、このビナ・サラナ・インフォルマティカの教師は、本紙に対して語った。アンディカ氏が彼のブログ www.nyongandikahendra.blogspot.com に載せている内容は、イスラームの問題のほか、現実の国際ニュースから彼の翻訳ビジネスの販売促進まである。

 これまで自分のブログに対する読者の反応はそこそこだった、と彼は述べた。記事の数も充分にあった。彼の最新の記事は、高度なイスラーム的価値を有するアラビア語の諺や、その説明だった。自分自身のブログを盛んにするほかに、アンディカ氏は人生や民事に関するメッセージを載せた他のイスラーム教徒のブログも好んで読んでいる。

 彼は自分のブログに書くとき、ハディース(訳注2)の語り手や、翻訳されたアラビア語原典など、はっきりしたものを出典として引用している。彼はイスラーム関連の印刷メディア、神を讃える集会での宗教的講話、あるいはユーチューブからのダウンロードを原典とするテキストで、自分の記事を補完している。

 テーマに関するインスピレーションは、モスクや礼拝堂でイスラーム教の教師についてコーランの勉強をしているときに湧く、と彼は説明した。かつて聞いた金曜日の説教のテーマも、彼がブログにのせている記事の材料の一部になっている。彼によると、ブログは知識を伝えるための最も効果的な道具だ。

 なぜなら、自分が書いた文章を通じて広く説明することができるからだ。その他、自分がブログに書いたものを他のイスラーム教徒のブログと比較することもできる。ただ彼は、ブログの読者がより批判的であり、イスラーム教徒のブログ、特にアドバイスのメッセージを載せたブログ間の内容を、積極的に比較して欲しいと繰り返し念を押している。

 「ブログのイスラーム的記事は注意深く読み、他のブログと比較しなければならない。なぜならブログはより個人的な性格を持つものだからだ。イスラームの問題に関する解釈の仕方も、より個人的なものだ」と同氏は忠告している。他のイスラーム教徒のブロガーであるディディク・プルワント氏(27)は、イスラームの基本的な信仰を若い人風のアプローチで広めることを選択している。

 彼は、ブログ www.didikpurwanto.blogspot.com の中で、Psycholove Writer なる名前で今日的なテーマを宗教的メッセージを差し挟んで議論している。「2005年からブログを書いているが、僕の書くものはコーランの文章を引用しており、伝道的な傾向にある」と、バリのウダヤナ大学で学んでいたときに、熱心にイスラーム活動の世界に身をおいていたこの男性は言った。

 以前彼は、penacinta.wordpress.com というアカウントを使って〔ブログを書いて〕いた。彼は時とともに書くもののテーマと性格を変えていった。彼はテーマをより一般的で、今日の若い人たちの好みと組み合わせるようにした。伝道的傾向のみのブログでの記事は、通常あまり人を惹き付けない、と彼は述べている。

 「それで、僕は依然として伝道を続けているが、コーランの文章を使わないようにした。全ての人が堅苦しい気持ちを抱かずに読めるように」、とこの www.baliblogger.com の元寄稿者は述べた。彼は例として、真の愛の探索に関する彼の記事を挙げた。その中で彼は、若い人たちの間でデートを行う現象について議論している。

 彼は記事を通じて、デートは弊害が多いのでしないよう提案している。同氏はデートの悪い影響のさまざまな事実を、証拠としてブログの読者に示している。これらの事実は、宗教動機の本、テレビ番組、それに彼の友人たちの打ち明け話などからインスピレーションを得ている。

 この書き方のスタイルの変化によって、彼のブログの読者の数は急増した。彼のブログを見た人の数は、1ヶ月に1,000人に達した。彼の論評から、彼らは宗教的価値に関連した今日的な問題を多く見つけている。「要するにブログは、人々にいろいろな考えや意見の選択肢を無料で、しかし責任を持って、与えることができる」と同氏は述べた。

 彼は文章面で自分自身の特徴を出すことを望んでいるが、その核心となっているのは変わらず「全ての人に対する恵み」であり、今日性にマッチしていることだ、と彼は付け加えた。彼はまた、イスラーム教徒のブロガーがインターネットを通じて伝道を広める機会はまだ大きいと見ている。一方、ハナ・ファリドゥルさんと、フィフィ・アルヴィアントさんも彼女たちのブログを通じて他の人たちとアイデアを分け合っている。

 彼女たちは、ブログ HijabScarf.blogspot.com を運営している。そのブログは、2010年に始まったが、ジルバッブを被る人たちの参考となっている。そもそもは、彼女たちのスタイルにあったジルバッブのファッションを論じた特定メディアを見つけるのが難しく、困っていたのがきっかけだった。彼女たちは同じ気持ちを抱いている人が多くいると確信し、結果的に自分たちのブログを作った。

 彼女たちの目的は、ジルバッブを被り、イスラーム教徒の服装をしようという気持ちをシェアすることにある。HijabScarf は女性イスラーム教徒の服装スタイルを共有するだけではない。ファッションのニュースや、ジルバッブを被るさまざまなスタイルの指導もある。魅力的なのは、ジルバッブを被った女性イスラーム教徒の経験談があることだ。

 その経験談で、彼女たちはジルバッブを被った最初の日々の不安感から完全に自信がつくまでを語っている。2010年5月10日に発足以来、この数ヶ月では彼女たちのブログはすでにこの種のメディアでは最高の地位を占めている。この1月、彼女たち二人のブログのヒットは50万件に達した。

 フィフィさんとハンナさんは、彼女たちのブログの影響を考えていなかった。何通もの電子メールが入った。送信者は HijabScarf を読んでからジルバッブを被る決心をしたと語っていた。「ワ〜オ、という感じです」と HijabScarf.blogspot.com の創設者で運営者の一人であるフィフィさん(25)は話した。

訳注
1) ジルバッブ: 女性のイスラーム教徒が人目に触れてはならないとされる頭髪、首、耳を覆うためにかぶるヴェール
2) ハディース: 預言者ムハンマドの言行録

(翻訳者:山本肇)
(記事ID:so1102251hy)

原題:Parabek, Sebuah Kampung Syariah
http://koran.republika.co.id/koran/14/128722/Parabek_Sebuah_Kampung_Syariah


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